西宮市,幼稚園,学校法人 甲東幼稚園

 

幼稚園園長先生のひとこと

 

2024年度園だよりから

2024年度園だよりから
 
「わたしはあなたの名を呼ぶ」(イザヤ書 43 章 1 節)
「羊飼いは自分の羊の名を呼んで連れ出す。」(ヨハネによる福音書 10 章 3 節)
新しい年度がはじまり、早くも「1ヵ月」の時が経過しました。 日々、大切なお子さんを幼稚園に送り出してくださり、また様々なかたちでご協力をい ただいておりますことを、まずは心より感謝申し上げます。 はじめは不安や寂しさでいっぱいだった子どもたちの表情に、少しずつ「変化」が表れ てきていることを感じています。 「昨日まで泣いていた息子が、今日は、『パパ、いってらっしゃい』って言ってくれました。 正直、いま、僕の方が泣きそうです。」 毎朝、お送りに来てくださっている一人のお父さんが、ある日そんな風に語ってくださ いました。そのお言葉が、とても深く心に残っています。もも組の一人の女の子が、目に涙 を浮かべながら、毎朝ママに手を振って送り出している姿に、とっても胸を打たれます。 不安を抱えながらも、「新しい一歩」を踏み出し、新しい環境に自分の「居場所」を見出そ うとしている子どもたちの姿を見て、私自身がとても励まされ、力を与えられています。 また、たんぽぽ組さんやゆり組さんの子どもたちが、新しく入園したお友だちに優しい 声をかけている姿からも、大切なことを教えられます。子どもたちの成長の早さには、 ただただ驚かされるばかりです。 「〇〇ちゃん、おはよう!」、「〇〇くん、おはよう!」。 毎朝、園庭にはそんな声が響きます。 「名前」を呼ばれること/「名前」を呼ぶこと。そのことの大切さを思わされています。 「名前」は、単なる記号・音声ではなく、「その人自身」を表すものであり、一人ひとり が「かけがえのない存在」であることを表すものです。聖書には、人と人/神と人とが、 「お互いに名前を呼びあうこと」によって固く、あたたかく結びついていく様子がたくさ ん描かれています。そうした聖書のメッセージを、日々の日常の中で大切にすることがで きればと願っています。 幼稚園での生活が、一人ひとりの子どもたちにとって、かけがえのない大切な時間とな りますようにと、心から願い、祈っております。今後ともよろしくお願いいたします。 
園長 新堀真之
 

2023年度の園だよりから

2023年度の園だよりから
 
3月号
いよいよ3月号発行の運びとなりました。
もう、この1年どのような年でしたか?とお伺いしていい時期となります。
 子どもの成長はある年は目に見えて華々しく、ある時期は全く見えなくて心配山盛り…でも、いえることは大丈夫です。その一言なのです。
 いくら父親でも母親でも、わが子の成長を逐一すべて把握するものではありません。子ども自身の人生です。近い将来、いろんなことが起こる時に自分で決めて納得して歩める人生になるようにするためには、今、幼児期のこの間に思いっきり“主体的“に遊ぶことが大事です。
小学生になるとやることが決まっていてそれをいかに自主的にこなしていくかという課題も出てきます。年長組さんはあと数日の園生活ですが、思いっきり遊びましょう。年中・少の皆様も大きくなることを楽しみにしながら、今できることをいっぱい見つけて遊びましょう。
園長 菱田由里子
 
2023年度最終号
卒園・修了おめでとうございます。
新年を迎えると思ってなんだかそわそわワクワクし たばかりなのに、日本の暦では今度は新年度を迎える のでまたそわそわワクワクです。
子どもたちにとっても、保護者の皆様にとっても、 春って、不安と期待が入り交じった、なんだか落ち着 かない季節かもしれません。 心配してもどうにもなりません。
まずは、え~い! と新天地に親子で飛び入りしましょう。
進級、進学、 どちらも、友達がいます。たった一人での進学でも、 友達はそこにいます。昨日までは知らない子、今日か らは友達! 1 年間、いろいろと幼稚園へのご協力ありがとうご ざいました。新しい場所でもどうぞご活躍下さい。
園長 菱田 由里子
 
2月号
♪~さむい さむい ふゆでも まけるな まけるなと~♪ 寒い朝、ついこの讃美歌をくちずさみます。小さい子どもたちは“寒い”ということで泣く事もあります。でも大人たちの援助、見守り、励ましで、♪~こどもはかぜのこ げんきなこ~♪ と園庭を走りまわり、真っ赤な顔をして白い息をはずませ、外でも元気に遊びます。そうやって心も体も鍛えられていくのですね。
いよいよ2月です。子どもたちも教諭も今日は何をしようかと、ワクワクしながら残り少ない今のクラスでの1日が始まります。
進学・進級の雰囲気を察知し、楽しみにする子どもも、不安でしょうがない子ども、何故か普段通りにできなくなる子どももいます。“不安な気持ちがあってもいいんだ”ということに気付き、笑顔いっぱいの2月になりますようにと願いながら教諭一同、園児ひとりひとりの心に向き合いながら歩みますので、ご家庭の皆様のご協力、よろしくお願い致します。
園長 菱田 由里子
 
1月号
いよいよ3学期。3歳児、4歳児、5歳児という学年がそれぞれ、4歳、5歳、6歳となっていきます。入園の時はまだ乳児さん、赤ちゃん体型、よちよち…それが、もう園児さん、年長さんは少年少女の姿も見え隠れしてきます。それぞれに大きくなってきましたね。
それだけに、ご家庭で困っておられることも、増えているのではないですか?今までと違う悩み、初めての悩み、親子関係、お友達関係、生活習慣としての悩み事…これらはご自分にぴったりの方法と出くわしたら儲けものですが、本当にやりにくい状態が続くこともあります。
試行錯誤しながら、助けを得ながら進むしかありません。少なくとも神様はあなたの味方です。また、折角幼稚園に属しているのですから、園長はじめ各教諭にお話されるのもOK。少しでも子育ての今を楽しめるように、子ども達にとっての人的環境である大人が毎日笑顔で過ごせますように祈っています。3学期もたくさん楽しいことがありますように!
園長 菱田由里子
 
12月号
 先月号の園だよりは『おうちでも是非、子ども達が今、何を見つめ、何を思っているのか、見守ってください。但し、“子どもの言うなりになれ”ということではありません。…そのあたりは来月の園だよりで…』として、文章が終わっています。
 子どもの主体性をうたっておいて、こう結んだので、いったいどういうこと? 結局、保護者の皆様を迷わせてる!と思われた方も多いのではと思います。
 そうなんです! 子育ては迷路です。電子レンジチン!でできあがるものでもなく、敷かれた線路をまっすぐに踏みはずさず進めばOKというものでもありません。保護者の皆様が抱いている子どもへの愛が、子どもたちに素直に伝わり、大人の人を大好きな子どもたちがすくすくと育ち、やがては大人としてこの社会と関わっていく幸せを感じてほしい…
 そのためには人と人がつきあっていくためのルールやお互いに我慢したり譲るための妥協点を見いだしたり、どうにもならないことがあることを知ったり、そこでも小さな幸せをみつけて納得していけることが必要です。
 つまり、何でもかんでも、子どもが思うとおりにすすみません。ここで何をして遊ぶかは主体性をもって子どもが考えればいいのですが、『ここで』という環境の操作は子どもにはできません。
ここも、あそこも、そこもいい場合もあれば、この時間もあの時間もどの時間もいい場合もあるかもしれませんが、おうちの都合(大人の都合)により限定される場合もあります。特に、金銭に関係するものはまだ幼児期の子どもに決定権を持たせずに、各ご家庭でのご事情にあわせることが先決だと思いますし、買いものや用事の都合によっては子どもがどう思おうが今はここでここまでしか、あるいはこういうことしかできない、何でもできる場ではないという子どもにとっては不条理なことも受け入れてもらわねばなりません。
 きちんと伝え『だめはだめ』を伝えましょう。子どもにごねられて『それじゃーこうする? それじゃー1個だけ買おうか』etcとなるのなら、大人の方がわがままで子どもに納得させてただけです。子どもにごねられて変更できるものは絶対にだめなものではなかったのです。それなら子どもと約束するときの妥協点はそこじゃなかったですよね。
 そういうことの繰り返しが子育てなので、親もわがままであったり、ゴメンということであったりしながら成長していきます。
『今』を生きている子ども達は『今』が大切なのです。『あとで』とか『今度』ではありません。おうちの方と一緒にたとえ1分でも素敵な『今』を繰り返していきましょう。    
園長 菱田由里子
 
11月号
 10/21(土)運動会のご参加、ありがとうございました。全クラス欠席なく、全員で迎えられた運動会でした。小学校と日程がかぶっていた方々や、色々とご都合をつけてくださった皆様、本当に御協力ありがとうございました。
 担任の先生たちが、密かに(笑)『甲東幼稚園の保育は難しい』と言っています。なぜなら、少し前までは、“この月になったらこの遊びをして、何月には何をしてと、ここで何を教えて…とやることが決まっていて”、子ども達をなんとかその気にさせ、如何に自主的に遊ばせていくかということで保育をすすめていましたが、今の甲東幼稚園の場合、子ども自身が主体的に遊び込むという事を考える為、やることが決まっている保育に比べて、難しいということになります。
 現在の甲東幼稚園は、最先端の保育技術をとらえ、『遊びの全ては子ども達から…』ということで、“子ども自身が興味をもったことを、子ども自身が主体的に遊ぶ”という事を大切にしています。ですから、運動会でも、年長は組み体操とダンスとリレー、年中は…と子ども達が好きであれ嫌いであれ、決まっている事をこなしていく運動会ではありません。
 もちろん、そういう経験を否定するつもりはありませんが、“鍛錬”“訓練”“克服する”そういうことはもう少し年齢が上がってからがんばってほしいと思います。幼稚園では近い将来、そういうことに突き進んでいける子どもになるためにも、また教科のここを努力してできるようになったということを自主的にしていけるようになるためにも、まず幼児期は『主体的に遊び込む、一生懸命楽しむ、夢中になる』とうことを大切にします。
 運動会の種目も先生達が子どもをピュアな心で見つめ、子どもの心を感じながら日々、組み立てていきます。週案では『こういうねらいをもってこんな風になる見込み』…ねらいはぶれなくても、『こんな風になる見込み』としていたところが、随分、変わっていきます。
 なるほど、子ども達の遊びはそっちを向いたかということで、教諭はエッセンスをかえます。つまりこういう仕掛けをしたらもっと発展するかも…こういうものを準備しておいたらもっと深まるかも…という環境の操作です。
 ところが、そうはならなかったりもして、子ども達と共に日々、なるほど!と、ひらめきや驚きの連続です。そこに幼児教育の真髄があります。子ども自身の育ち,集団としての育ちがあります。
 おうちでも是非、子ども達が今、何を見つめ、何を思っているのか、見守ってください。但し、“子どもの言うなりになれ”ということではありません。…そのあたりは来月の園だよりで…     
園長 菱田由里子
 
10月号
 当園でも一般財団法人全日本私立幼稚園幼児教育機構の公開保育を活用した幼児教育の質向上システムイーセック研修を2021年度に実施した事によって、それ以来、保育の中でも“自主性”と“主体性”ということを考え、保護者の皆様にも園だよりなどで少しずつお伝えしているところです。
 “自主性”はこれから小学生、中学生、大人へと成長していく段階、教科学習では、例えば、『自主的に宿題をする』『自主的に当番活動をする』『自主的に課題をこなす』…とても大切なことです。ですが、それがドンドンできる方もおられれば、いつもいつも先生や親に「これしたん?」「今はそんなんせんと、あれしとかな!!」と押されて仕方なく課題クリアーという方も多いことでしょう。じゃ、どうやったら自主的に物事をすすめていけるのかと考えると、そこにたどりつくまでにどれだけ主体的に過ごすことができたかということと密接な関係があると思います。
 誰でも0歳、1歳の頃は本当に主体性をもって生きていて、周りの大人の方が翻弄されます。この赤ちゃん何故泣いている、何故機嫌悪い、ニコニコ笑顔だと大人も嬉しくなるし、赤ちゃんは本能と生きる力で周りに訴えてきます。
 立って遊び始めた1歳、2歳の頃、“自分”しかみえてない乳児さんも主体的に自分の思うままに動いているので、物の取り合いや押した、押された、噛んだ…と周りとの関わりの中で他者との関係を主体的に学びとっているのです。
 つまり、“○○をする”という成果目標や課題を自主的にこなすのではなく、“何をしようかな”という自分の思いで、“これをしよう”“あれをしよう”と主体的に遊ぶ時期をたくさん過ごしてほしいと思います。その途上では全体の秩序を乱したり、友達と衝突したりの経験も与えられます。それを『あ~あ、ダメだ』ではなく、『そんな経験もできたのね』と、とらえたいものです。
 与えられたものをこなすだけの人ではなく、自分でやってみつけていく、将来、どんな場面でも自分なりに対応を考えて、納得して生きていける人に育ってほしい。
 そのために、今、幼児期に必要な事は、自己肯定感が育つこと、夢中になれること、想像力が育つこと、そして友達との関係に気づくこと…神様からのめぐみをいっぱい受けてすくすくと育ってください。            
園長 菱田由里子
 
9月号
いよいよ 2 学期が始まります。どんな夏休みでしたか? 共通しているのは、“暑かった!!”ですね。でも、これ、 『過去形』ではなく、油断大敵。引き続き熱中症にも気を つけて、秋を迎えていきましょう。 2 学期には運動遊びを楽しんだり、遠足に行ったり、ク リスマスを祝ったり…何かクラスでの集団的な遊びも繰 り広げられるかもしれません。 トンボにバッタ、田んぼの稲穂、秋風、木の葉、木の実 …子どもたちの目も輝く事でしょう。いろいろな物に目を 向け、興味をもって主体的に思い切り遊び込んでいきまし ょう。 子どもたちがやりたいことをやれる時間と場所と道具 と先生や仲間…そんな環境を整えながら、日々、発見と感 動を積み重ねて遊びたいと思います。季節の変わり目は体 調を崩しやすいときです。どうぞ体調管理もよろしくお願 いします。
園長 菱田 由里子
 
8月号
 子どもたちはもちろんのことながら、お父さんもお母さんも活き活きと輝いて夏を満喫できていますか?暑いですよね、しんどいですよね、時間ないですよね…。この夏の太陽の輝き、水しぶき…これをどう感じるかはその人次第!是非、活力にかえて輝いてみましょう。その前に熱中症対策をお忘れなくお願いします!
 人が輝いて見える時はその時の中心・軸にいるとき、そんな気がします。では世の中の中心、家族の中心、幼稚園の中心、地域の中心、学校の中心、自分が属する社会での中心は誰? 何歳? それとも
どんな立場の方?
 いえいえ、あなたなのです。ただ、それに気づけていない事が多いだけ。自分中心でいいのです。
自分中心って自分の思いのままにすべてを動かすということではないですよ。主体性をもって生きていくということです。
自分のこと、隣人のこと、まわりのこと、今のこと、未来のこと、いろいろなことを見据えてしっかりと歩みましょう。失敗はつきもの、挫折もつきもの…でも必ず助けてくれる誰かがそばにいます。気づいてね。
 そして子どもにとって、その一番側にいてくれる大人が家族です。そして先生です。自分の気持ちをわかってくれる人、助けてくれる人です。現在成長中の子どもたちの助け方には一工夫をしましょう。何ができるのか、どこでつまずいているのか、こうならできるのかな?いいことも悪いことも経験を積み重ねながら育つ子どもたちを見守り、手助けしたり、一歩下がってながめてみたり、この夏、又一段と大きくなる時です。
 困ったことがあったら、夏休み中でも、子育て相談など声をかけて下さい。   
2023.7.21 園長 菱田 由里子
 
7月号
  先月のじゃがいも堀りの園児の姿から、“幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿”をひもといてみましょう。
 あの日、子ども達の姿はいろいろでした。5月24日、まだ新年度が始まって1ヶ月ちょっと。園からのお散歩も充分には経験していない時期です。
畑までが遠い!!年少さんに至っては初めての園外保育。保護者の皆様にたくさんのボランティアをお願いし、どうにかこうにか畑に到着しました。
 土、草、虫…苦手な子ども達にとっては、この中に入ることがすでにハードルの高い出来事です。
 でも、一人ではありません。お友達の姿が目にはいってきます。先に畑に入った子どもたちが、次々に「あった!!」「とれた!」と目を輝かして、大事そうにジャガイモを手にしています。
 教えてもらったはずだけれど、『あれれ?』そこの土をいくらのけていっても、ジャガイモ出てこないのに…
   友達や先生に声をかけてもらったり、自分で試行錯誤してやっとジャガイモの茎、葉っぱの下の土の中にたどりつき……
 一方、「おった!!」「みみずゲット!」みみずにも子どもの瞳はキラキラです。「こんなに大きいの!」「見て!かわいいでしょ、こんな赤ちゃんのおいも」「面白い形!!」「またとれたよ!!」どんどんお芋が集まっていきました。きっと各家庭の夕食にはじゃがいもの料理が並び、芋掘りの話がはずんだことでしょう。お休みされたお友達のところにも後日届いたことと思います。
 この出来事の中で五感を使った体験、自然との関わりを通し、生命尊重を学びます。また、豊かな感性と表現を見につけ、言葉による伝え合い、協同性、自立心が育ち、どうやってほろうかと思考力が芽生え、いくつ取ったよ、大きい小さいと数量や図形への関心・感覚が養われます。そして何よりも健康な心と体が育ちます。
 これから小学生…大人へと成長する過程の根っこの部分です。迷ったり、友達と思いがすれ違い、言い合いになったり、ケンカしたり、淋しい思いをしたり、楽しい経験をしたり、悩んだり、助けてもらったり、悔しかったり、嬉しかったり…ジャガイモ掘りに限らず、普段の生活の場面で経験する実体験が次への学びのステップになっていきます。
            2023.6.30 園長 菱田 由里子
 
6月号
 子ども達は季節を感じる名人です。少し温かくなったときから、水をさわっての遊びも増えます。
 乳児さんの保護者を卒業したての園児さんの保護者様はまたまた心配の種が増えますね。幼稚園は暑いのか寒いのか冷房の具合や水遊びの具合、炎天下にいる具合や汗かきの状態はどうなってる?
 自分が一緒にいれば、脱いだり着せたり、汗をふいてやったり、氷を食べさせたり、適宜にその子どもにあったケアーができるのに、一旦幼稚園にあずけてしまうと、まったくわかりません。
 でも、私は心を鬼にして(笑)それでいいのですと申し上げておきます。幼児期に入ったのですから、
暑ければ脱ぐ、寒ければ着る、困ったら先生や周りの友達にSOSを出す、そういう自分のケアーを自分なりにしていくのです。
  親が一緒にいるとついつい完全なケアーをしてしまいがち…とあえて申し上げましょう。それは幸せなことに違いないのですが、完璧な環境のもとでいろいろな事ができることより、これから先、大人になるにつれて、実際の生活の中で困った時、自分で考え、自分の経験を応用し、解決していける人になってもらいたいと思います。
 といってもまだ幼児期の子どもたちを、野放しでほったらかしておきましょうというお話ではありません。また、しかりつけたり、自分でできるでしょ、と注意ばかりすることでもありません。
 教諭も保護者の皆様同様に、水分は?暑さは?換気は?衛生面は?といろいろな事に気を配りながら一人一人の子どもたちを見守り、少しずつ課題を上げながら、生活力、集団の力、生きる力を育んでいこうとしています。
 この夏、思いっきり水遊びも楽しみたいと思います。但し、まだトイレでようを足せない園児さんは一緒にプールに入っていただくことができません。お一人様タライが精一杯かな。夏にむけておうちでもトイレトレーニングがんばってみてくださいね。         
園長 菱田 由里子
 
5月号
 少しずつ暑さも感じる季節となりました。毎日幼稚園への送り迎えありがとうございます。幼稚園にきて保護者の皆様の姿が見えなくなると、“いやだー!ママがいい”という泣き声も聞こえなくなり、遊び始める子どもたち。透明マントを保護者の皆様に配布して、是非この子ども達の楽しそうなのんびりした日々のひとこまを見て頂きたいと毎年、そんなことを思いながら過ごしています。
 まだ、始まったところですから、泣き声無しの時間もそうは長続きしません。あちらで、号泣、こちらで涙…そのほとんどは、ふとした瞬間にママを思い出したり、こけたり、“押された”“叩かれた”“引っかかれた”…もちろん、大怪我になる前に教諭が入っていくわけですが、ひっかき傷をつけて帰ったお子様も何人か…幼稚園で充分に洗ったり、冷やしたり、消毒するなどの応急措置はしておりますが、ご心配をおかけしてすみません。
 でも、子どもたちはとてもすばらしい学びの毎日です。『何がおこったのか』『どうすればよかったのか』『どんな方法があったのか』『今からどうするのか』…「追いかけられるのが嫌だったから叩いた」「追いかけてくれないから押した」…同じような出来事でも、子どもたちの言い分はそれぞれです。そのそれぞれの出来事を、子ども自身が思い起こし、考え、“ことば化”していくお手伝いを先生がしてくれます。
 結論はいつも一緒ではありません。『謝りに行く』『いやだったよって言ってみる』『今はなにもしない。他の子と遊ぶ』『先生と一緒に言いにいこうか…』
 関わろうとするからトラブルがおこります。でもこのトラブルこそが学びへとひろがっていきます。相手の気持ちを想像し、考え、自分の気持ちの伝え方を自分なりに見つけ、これからの人生、人の間で充分に自分の力を発揮できる人に育ってください。
園長 菱田 由里子
 
4月号
ご入園・ご進級おめでとうございます。
 いよいよ、2023年度幼稚園生活の開始…親と子どもが一緒に過ごせる時間が、時間として短かくても長くても、子どもの居場所として甲東幼稚園を選ばれた皆さんのお子様は、必然的に文部科学省管轄の学校として位置づけられている幼稚園に入園され、幼稚園型認定こども園での幼児教育を受ける権利が与えられたことになります。
 この幼児期をしっかりと学び成長していくためには、“自分の遊びをしっかりする”ということが大切です。なんだろ?なんでだろう?これがしたい!こうしておきたい!こういうことができてこそ幼児教育なのです。
 教育というと教科の学習の仕方と同じと考えて、“なんとか教え込む”といことをしがちですが、そこにたどりつくにはまず幼児教育として子どもの主体性を大切に見守る事が重要となります。いっぱい一緒に遊びましょうね。幼稚園時間帯の保育時間はできるだけお休みしなくてもいいようにスケジュールの調整にご協力をお願いします。
 さて、幼稚園に入ったのだからと、少し背伸びをして『もうおにいさんだから』『もうおねえさんになったから』とそれぞれ少し難しいことにも挑戦されていくことでしょう。大人でも、自ら進んで自分にとって“ちょっと難しいこと”をしているお年寄りの皆様は、いくつになっても、活き活きと過ごしておられます。
 ただ、子どもの場合、周りにいる大人の気持ちも上乗せされてしまうので、自分にとってちょっと難しいことというのが、“ちょっと”ではなく、“随分難しい” になっていることが多いです。
 “随分難しい”ことへの挑戦はもう少し大きくなってからにして、幼児期の今は“自分にできること”“ちょっとだけ難しいこと”にし、今は“できた!!”という感触をいっぱい積み重ねていきましょう。
 『荷物は持てない』から全てを持たせないになってしまい、“できない”と、ゼロにしてしまうのではなく、「これだけなら?」「この時だけなら?」「これだったら?」と小さいステップで試して見て、それができたら、「お荷物、持てたね♡」「また持てたね」と認めてあげることで、自己肯定感UP!『たったこれきりのことで荷物を持てているとは言いません』ではなく、今はこれだけだけど、自分で持とうとしたというその小さい積み重ねの繰り返しがとても大切です。
 ご飯を食べるとき、お片付け、着替え、トイレ、お風呂…日常のいたるところに、スモールステップでなら認めることができる行動がいっぱいあります。幼稚園でもひとりひとりが輝いて過ごせますよう、一緒に子育てをしましょう。よろしくお願いします。
園長 菱田由里子
 

2022年度園だよりから

2022年度園だよりから
 
2022年度 3月の園だよりから
 “教えられたことを覚えて、上手にする”“言われ たことを理解して、言われた通りにできる”
 学習をしていくうえでとても大事なことではあり ます。1 対 1 での関わりで大いにのびることなのか もしれません。そのことを決して否定するものではあ りませんが、“幼児期の今”一番大事なのは“群れて 遊ぶ”ことだと思います。
 “群がって遊ぶ”遊び方には、自分が主導権をとっ 2023.2.27 3 月の園だより 甲東幼稚園 て、王様のように振る舞うこともあるでしょうし、言 われるがままについていく経験をすることもあるで しょうし、民主的にしっかりと話し合いが成立するこ ともあるでしょう。そしてそれらの仲間を一歩外側に いて、見ているだけのことも含みます。ともかくそれ らの舞台は“子どもの世界”なのです。
 大人から見ると“子どもの世界”ほど残酷な世界は ないかもしれませんが、子どもから見ると“大人の世 界”ほど厄介な世界はないということなのかもしれま せん。
 子どもが現実に見たことを口に出すと、『そんなこ と言ったらだめ』と、大人が言葉を封じてしまうこと も多いにあります。それは大人がそのことに対して気 の毒だとか、かわいそうにとか自分が優位の立場で感 じていることが含まれるのかもしれません。
 子ども達は見たことを見たままに受け止めていま す。それを大人が『かわいそうでしょ』『無理でしょ』 『できてないよね』と色分けしていきます。“不思議 だな?”“何故?”と自分とは違う知らない世界に気 づいただけなので、声を荒げて「そんなこと言っちゃ ダメ」と言わなくても、「そうだね」と受け止めてから、 でも、『どうかな』と子どもなりに考えていくことで 大丈夫なこともたくさんあります。
 また、どこまでできていれば『できたやん!!』と 一緒に喜んでもらえるかは、その大人のさじ加減にな っていることが多いです。
 そうではなく、子ども自身が『できたやん!!』と 感じた時に大いに認めてもらえることもとても大事 です。そんなこと○○歳なんだからできて当たり前と いうことではなく、自分が『できた!!』と思える瞬 間を積み重ねることの大切さを想い、どんなことでも 認めてあげられるといいですね。○○ちゃんとお話で きたんだよ、今日は○○したんだよ、今日は怒られち ゃったけど、その後、がんばったんだよ。
 みんな素敵な子どもたちです。
園長 菱田由里子
 
2022年度 2月の園だよりから
 皆様の抱えておられる心の荷物(=心配事や悩みや不安等)の重さは何グラムですか?
 たとえ、同じ10kgのお荷物だったとしても、ある方には1kgに感じられ、ある方には100kgどころか、1トン、2トンと耐えられない重さに感じられます。
 そんなに大きな荷物を抱えているのに、何故そんなに笑っていられるの?あなたのもっている荷物はたいしたことないのに、何故そんなに苦しんでいるの?
 他人と比べて解決しようとすると、ますます負の連鎖に突入し、とてつもなく大きな不安にかられてしまうこともあります。
 特に子どもの成長を考える時、ひそかに他の人と比べて安心したり、不安になったりしていることはありませんか?
 その解決方法には他人と比べて自分の立ち位置を決めるのではなく、『ひとりじゃない』という支えがあるから解決できるということがとても大事です。“あの人が わかっていてくださる”“この人が 私の見方”という心の支えがどなたにも必要です。神様もきっと、そっと手をさしのべ、どなたかを遣わせてくださったり、解決への道を用意してくださっています。
乳幼児にとってはそれがお母さんやお父さんであることが多いでしょう。ではお母さんやお父さんにとっては誰ですか?ご家族、行政の支援、ご近所の方、お友達…思い当たる人が私にはいないと思われる方もおられますか? その子育ての悩みの重さをどうやって解決されていますか?
 その一つの方法に是非、子育て相談やキンダーカウンセラーのカウンセリングの利用をいれてください。
 “子育てに問題があるから話そう”ではなく、“時間の都合がついたからおしゃべりしよう”そんなご利用でいいのです。お互いに聞きあっておしゃべりをすることで一歩、前進です。
園長 菱田 由里子
 
2022年度 1月の園だよりから
新たな気持ちになる新年、心温まるお正月をお過ごしであった事と思います。おせち料理、お雑煮、はねつき、凧揚げ、年賀状、お年玉、書き初め、福笑い、カルタ遊び…子どもたちも自分なりに感じた“お正月”についての話に花が咲き、「知ってる!知ってる!」「僕も!わたしも!」と会話がはずむことでしょう。幼稚園でもお正月の遊びも繰り広げながら3学期が始まります。寒い季節ですが、真っ赤な顔をしながら元気に園庭を駆け巡り、真剣な顔をしながらカルタや坊主めくり…等々。
3学期はおそらく子ども同士の関係が深まり、広がり、その分、トラブルも増えます。でもそれが成長のチャンス!お互いにどうしたかったのか、どういう思いであったのかを理解しあい、また次のステップへと進んで参りましょう。
私事ですが、右一側性原発性股関節症で、人工股関節置換手術をし、2学期末、思わぬ長期にわたりお休みすることになってしまいました。ご迷惑をおかけし、申し訳ございませんでした。3学期に挽回です。よろしくお願いします。   2023.1.9 園長 菱田由里子
 
2022年度 12月の園だよりから
 園だよりに毎月、年間や今月の聖句を載せています。それには聖書のどこに書いてあるかを記載しています。ご興味がおありの方は毎月、インターネットなどで調べて下さっているかもしれませんが、この言葉だけを見てもなんのことやらという方も多くおられるかもしれません。
 今月の聖句『さあ、ベツレヘムへ行こう。』というのは、クリスマスの物語として描かれている言葉で、降誕劇などでもよくセリフとして出てきます。
 言ったのは羊飼いさん。何故、そう言ったかかというと、天使さん達に“キリストイエス様がベツレヘムの馬小屋でお生まれになった”と聞いたからです。
 プレゼントも何もないけれど、“喜び”“うれしい”純粋にその“心”をもって『さあ、ベツレヘムへ行こう』なのです。
 おそらく皆様も我が子が生まれた時、『生まれてきてくれてありがとう』と、無償の愛の気持ちでいっぱいに包まれた事でしょう。“命あること”に感謝されたと思います。
 『あるがままに受けとめる』としていたつもりがいつの間にか、“元気であれば”“やさしければ”“五体満足であれば”“歩ければ”“言葉を話すことができれば”“○○歳児の発達段階にあっていれば”と、喜びが期待に代わり、子どもの成長が少し平均とずれてくると『受け入れる』ことの邪魔を始め『無償の愛』ではなく、“何故できないの?”“どうやったらできるようになるの?”“いつになったらわかるようになるの?”と、親のあせりに代わっていってしまいます。
 まずは最初に戻って、じっくり子どもとむきあいましょう。他の子どもと比べる必要はないのです。まずは我が子が活き活きと、じっくりと暮らしているか、悪いことは悪い、良いことは良いと知り始め、泣いたり怒ったり笑ったり、周りの環境を理解しながら、いろいろな方法で自分を発揮し、人の間にいることを知り始めているか、そこからですね。ご一緒に子育てで楽しい幸せをたくさん味わえますように!   
園長 菱田由里子
 
2022年11月の園だよりから
 「もう、あなたはいつもそうなんだから…」
否定的であれ、肯定的であれ、言ったことのありそうな言葉だとは思いませんか?
 発言した方はあまり重く思っていなくても、或いは、良い意味で言っていたとしても、受け取る側は必ずしもそうではないと言う言葉のひとつでは?と思います。
 「…」の部分に隠されたそれまでのいきさつや、発言者と受け取り手の関係などで、解釈が変わります。「あなたはいつも失敗するんだから…」と否定的な注意に使われたり、「同じことばかりして…」「いつも自分を犠牲にして我慢してしまうんだから…」と、肯定的な褒め言葉にも、否定的な注意にもどちらにも聞こえる言葉になります。
 『いつも』とはいつでしょうか。発言者が関わっている毎回という意味なのか、受け取り手の毎回なのか、いつもという思い込みなのか…
 そうなんだから…ってどうなんだ?いいことなの?悪いことなの?
 話しことばにはこういう抽象的なものが多く使われ、発言者は発言者が思っているように受け止めてもらっていると思っているものです。
LINEでよくおこる問題もこういう所にも原因があります。怒っている返事…なのか、笑っている返事…なのか、いわゆる肯定…なのか、否定…なのか…実は一方向からのコミュニケーションでは正しく伝わりにくいのです。
 なので、『話し上手より聞き上手』と言われるのです。子どもに対しても同じです。一方的に大人がガンガン伝えるより、「どう思ったの…?……」「どうしたの…?……」「それはどういうことなのかな…?……」と、ゆっくり待ちながら子どもの声を聴き、掘り下げていくと子ども達が自分で理解していく手助けとなります。
 でも、言っちゃうのですよね。『これ、ちゃんと言っとかな分かれへんし!ここは説明しとかな…』と…。
 “…”を使う文章はしっかり、伝わらないと言われたことがありますが、今回は“…”を多用してみました。つまり、受け取り手が100人いてくだされば、100通りの受け方があり、私が思ったことと違うように読まれた方もおられることを想定内として、皆様それぞれ…、ご一緒に、私もいろいろと考えてみたいと思います。   
園長 菱田由里子
 
2022年10月の園だよりから
 気温30度を超えることは少なくなってきましたが、少し動くともう汗だくになり、30度を超えると夏の30度の方か涼しかったのかもと思うぐらいです。
 そんな中でも子ども達は外で遊びたがり、外で走りたがり、「おにごっこしよう!」「かけっこしよう!」今でも熱中症対策として、外に出る時間を短くしたり、水筒のお茶を飲んだりするのは当然のことながら、大人は「えー、先生は応援する人になる」と、休憩を選びたくなります。その答えに子どもたちは「なんでー?」……暑いから走れないという理屈は子ども達の世界にはないようです。
 でも、季節の変わり目は確実にやってきました。朝夕、突然の冷え込みを感じると同時に、子ども達の体調は急変することがあります。鼻水、咳、発熱…この三拍子はコロナであれ、RSウイルス感染症であれ、ただの風邪といわれるにしても、出てくる症状です。食欲、元気さ、機嫌の良さ悪さ、眠りの深さ浅さ、その他の普段の様子と照らし併せて、対応をしましょう。お医者さんにいく?電話で相談する?家族の意見を聞いてみる?何はともあれ一番大事なのは子どもたちの体のしんどさを軽減してあげることです。
     園長 菱田由里子
 
2022年9月の園だよりから
  いよいよ2学期が始まります。秋の空のもと、思い切り身体をうごかしたり、芸術の秋、絵画制作に心をうごかしたり、食べ物の秋、紅葉の秋、読書の秋……子どもたちも、それぞれ、心を弾ませ、いろいろな発見をしたり、工夫をしたり、考えたり…又、一回りも二回りも大きく成長していきます。
 もう、赤ちゃんではありません。自分のことは自分でできるようになり、人の面倒までみようとし、一人前でいる姿がどんどん増えてきます。たのもしくもあり、うれしくもあり、でもちょっぴり淋しくもあり、つい手や口を出してしまったり、本気で口論になったり、親である自分とは違う一人の人がそこにいることに気づかされます。
 でもその一方で、まだまだママやパパに見ていてほしい幼児期の子どもたちです。好ましい行動の時はしっかりと認める声かけをし、時には思いっきりハグしたり、お膝の上で絵本を一緒にみたり、ちょっとした手遊び♪~こーちょこちょ~とやってみたり、何気ないスキンシップを親子で楽しんで下さい。
 今、大事なことは自分がどれほど大切な人であるのかを感じ、自分ができることを多いに認めてもらえること。何気ない日常の一コマ一コマで、そういうことが感じられると素敵ですね。大人も一緒ですよ。ご夫婦の間で、ご兄弟の間で、おばあちゃま、おじいちゃまと自分の間で、職場関係において、お知り合いの方と…まさか、こーちょこちょとはできませんが、意見が違い議論を交わす相手であっても、お互い、その存在を認め合い、尊重しあう気持ちが通じ合うことはとても大事なことです。
園長 菱田 由里子
 
8月の園だよりから
 コロナ感染症拡大は終息しましたとして夏休みに突入することはかなわず、気をつけながら過ごす3回目の夏休みとなりました。更に、猛烈な勢いで陽性確定報告があります。もうお休み中なので、ご報告していない分をいれると、甲東幼稚園としては過去最高の感染者数です。コロナ感染症に対する感じ方は人それぞれです。お互いに違う考えであることも尊重しながら、自分は何を守り、どう行動するのかを見極めて歩みたいものです。
 コロナ感染予防、交通事故に注意、暑さに注意…いっぱい注意事項のある夏だとしても、子どもたちには、ゆったりとのびのびと夏を満喫し、大きく育ってほしいものです。お仕事を続けられる方、家庭保育をされる方、それぞれお疲れさま!!子どもたちの前で笑顔でいられるように、子どもたちのイタズラを笑ってみていたり、危険や迷惑の度合いにより落ち着いて注意したりできる余裕がありますように。さて、大人はどう自分を守りますか? 皆様になにか素敵なことがある“夏”となりますようにお祈り申し上げます。
園長 菱田 由里子
 
7月の園だよりから
 いつの間にか季節が夏に…先日は気温31℃という数字も出てきて、園庭では思いっきり水遊びが展開していました。
お一人様タライで優雅に水風呂?につかっていたり、どろんこを作ってビチャビチャ、一角では静かに泥だんご作りをしていたり、容器を使って水鉄砲にして水をかけあい、「かけないで!」「かかっていやだったよ」と真剣なやりとり。先生に対しては無礼講!!容赦なく水浸し…等々。
子どもたちはもちろんのこと、先生たちも思いっきりの笑顔で水を楽しんでいました。おうちの皆様も、お着替えのお洗濯ありがとうございます。教諭室には順番にずぶ濡れの先生がやってきて、バタバタと着替えてバタバタと保育室へ…
 暑さの中でもこんなに活き活きと活動できる子ども達と日常の日々を共に過ごせることに感謝です。
 コロナ禍3年目の1学期…もうそろそろ終息かと思っていたのに、また気になる情報も舞い込んできたりして、どうしていいのか、行政でも決めかねることが山盛りのようです。
先生も含め、園庭ではマスクを必ずはずすこと。室内では、行政からの指導で、しゃべったり2m以内の活動になるときはマスクをしておくことが望ましいとされてはいますが、あくまでも場合に応じての判断が求められます。園児の生活でしゃべらないで2m以上離れるという活動は考えられません。室内もその時の暑さや活動量のよっては度合いが違ってきますが、少なくとも活動によってはマスクをはずしてから、ということも考え、またお家の方々のご心配も考慮して室内で静かな活動時のマスク着用は子どもたちの自由にて保育をおこなっています。そのうえでできるだけの黙食、パーテーション設置、消毒…これらはまだまだ続けねばというところです。
あと1か月ほどの1学期、自分を発揮し、自分が大好き、こんなにできることあるよ!という気持ちをもち、お友達と一緒の空間で、思う存分、遊びましょう。      園長 菱田 由里子
 
6月の園だよりから
 少しずつ、暑さも感じるようになってきました。子ども達は季節を感じる名人です。少し温かくなったときから、水をさわっての遊びが増えます。ビチャビチャになりながら、何度も何度もじょうろに水を汲み、砂場や園庭に作った穴ぼこに水をためます。うまくたまるときと、行って戻ってきたら、もう土に吸い込まれていて水たまりがなくなっているときと…本当に思わず「ご苦労さん」と声をかけてしまうぐらい、何度も何度も往復しています。
 そんな一生懸命な子ども達を大人として『受け止める』とはどういうことでしょうか。
 『受け止める』というのは『機嫌よくしておいてもらう』ということではありません。
 子ども自身が感じている気持ちを認め、“そうだね”と共感してくれることだと思います。
 そこには行けないのに、「あっちに行きたい」というときに、子どもの気持ちを受け止めようということで、子ども自身の今の気持ち“あっちに行きたい”を受けとめるのではなく、気持ちを変えさせてその気持ちを受け止めて、大人はうまくいったと思い込んでいることがあります。「そっちには行かないよ、こっちに○○があるかもしれないから見に行こう」と誘って、行ってはいけないところをとりあえず回避、等々…
 それを積み重ねるとどうでしょう。言葉で子どもたちは上手に弁明はしませんが、何か、“受け止められていない感” が積み重なったり、強いてはそれを“愛情不足”と感じたりしていくのではないでしょうか。
 あっちに行けなくて悲しかったよね。よく我慢したね。嫌だったよね。しんどかったよね。そんな負の感情もしっかり受け止めてもらい、お母さんやお父さんは、“わかってくれている”と、子ども自身が感じる事ができていることが、大きな幸せのひとつです。      園長 菱田 由里子
 
 
5月の園だよりから
 5月…爽快、爽やか、優しい風、新緑
…そんなことばが似合います。春から夏への移り変わりの中、心身を開放し、喜んで過ごしたい季節です。
子どもたちも好きなことに心を寄せ、自分らしさをもって過ごすことができるように保育者は1人ひとりの声をゆったりと聴き、思いを受けとめる。神様・イエスさまが一緒にいてくださることを喜び、安心する…幼稚園ではこういうキリスト教保育が展開されています。
 ですが、進級・入園から3週間がたち、連休へと進み5月はほぼほぼ連休明けからの日々、そんなにゆったりと爽やかさを味わうばかりではありません。…今まで調子よく幼稚園に登園していた子どもが私の順番到来とでもいうのでしょうか、急に『ようちえんイヤだ~』と泣き出したり、昨日までできていたことが、突然ぐずぐずと『できない~』と言い出す季節です。
 そうなると、この1ヶ月、我が子がいったい幼稚園でどんな様子だったのか、
昨日まで気にもなっていなかったことが、気になって気になってしかたなくなるのです。いつでも聞いてください。
 また、幼稚園は集団生活を通しての幼児教育の場ですから、保護者の皆様にも『こうして下さい』『こうしないでください』『これはこうです』とたくさんのご協力をお願いしています。『何故?』という事をひとつずつ解決し、子どもにとって一番大事な『安心する』という環境でありたいと願います。
そのために必要なのは対話なのです。1ヶ月、降園時のお話も有効だったでしょうか。これからもよろしくお願いします。        
園長 菱田 由里子
 
2022年度4月開始号
ご入園・ご進級おめでとうございます。
進級園児の皆様は入園以来ずっと、そして新入園児の方は初めての集団生活が…
と、それぞれコロナ禍においての生活ということになりました。
その不安を嘆いていては前に進めません。
気をつけるところは気をつけ、心配すべきところは用心し、
そして子ども達に心配を押しつけずにゆったりと幼児期を過ごせるように、
大人達が支えあって子どもの世界を担保したいものです。
それには、“おしゃべり”がとても大切です。
降園時のちょっとした時間に先生を捕まえたり、
子育て相談や、キンダーカウンセラーのシステムを利用したりして、
今年1年間、一緒に“子育て”を考え、学んでいきましょう。
1年後に心も体も成長したわが子に出会われ、
私たちも一緒に喜びを分かち合いたいと思います。
  園長 菱田 由里子
 

2021年度園だよりから

2021年度園だよりから
 
2021年度最終号の園だより…2022.3.23配信分より
      私たちは生きていく中で、たくさんの不安を経験します。
      それをうまく乗り越えることができるかどうかが、次のステップに進めるからどうかの鍵と
      なります。
      大人だけではなく、子どもにとっても同じです。
      いよいよ進級、進学の時、子ども達の不安を受け止めようと思ったら、自分も安定したいですね。
      そのためにいっぱい声に出して下さい。
      先生に、お友達に、まわりにいる家族に、私(園長)に…そしてお互いに支え合いましょう。
園長:菱田由里子
 
2021年度3月の園だより…2022.2.27配信分より
 とうとう3月という声が聞こえてきました。
『1月はいく、2月はにげる、3月はさる』
と昔から大切な3学期はあっという間と言われています。この間に行事を詰め込む園も多く、子ども達はいわゆる“仕上げ”に追われてやがて卒園、進級へといざなわれていきます。でも大事なのはそういうことではなく、この大切な3学期に如何に遊び込むかということです。
自分みつけの旅は春になっても続くので何も心配いりません。今はともかく、園児たちが素直に今やりたいことに夢中になることを思いっきり楽しむ時です。今年はこの時期、集団や幼児教育の場にいるという事がごそっと抜けてしまいました。でもその分、各ご家庭において愛情豊かに笑ったり、怒ったり、泣いたりしながら、小集団で過ごしました。子どもたちも大切な何かをご家族や周りの大人たちから受け取り、自分の中で芽生えさせそだてているに違いありません。
これからも一人の人として、周りに気づき、考え、試してみて、大きくなりましょう。
園長 菱田由里子
 
2021年度2月の園だより…2022.1.30配信分より
蔓延防止等重点措置が兵庫県に出されています。園生活においてもいろいろなご協力をありがとうございます。
さて、とうとう2年間ずっと、コロナ禍での生活という事で、本当にお疲れだと思います。感じ方にも温度差があり、それぞれ心のイライラも募ります。どのご家庭でも、お仕事や家族の動向調整が難しかったり、収入減少だったり、職場によって対応が違ったりと、様々な課題を抱えてしまいました。
ひとつひとつ乗り越えていくしかありませんが、一人で乗り越えるのは無理です。
家族や仲間、ご近所、友達、知り合い…それぞれで見守り支えあって、この難しい時でも、幸せや楽しさをみつけていきましょう。園の子育て相談のシステムもご利用ください。
子ども達は『今』を生きています。『今』豊かな心で十分に『自分』を発揮してたくさん好きな遊びができるように祈ります。
“怖がる”ではなく、“気を付ける”を合言葉に、“自分のできる最大限の感染予防”をしていきましょう。“自分ができる最大限”という事は、人それぞれ違います。他の人のやっておられる事をみて非難したり、私にはそこまでできないと落ち込んだりするものではありません。それぞれの考えで『今』支えあってがんばりましょう。そばに、かわいいわが子がいてくれます。そして神様が皆様のことを見ていてくださっています。どうぞよろしくお願い致します。   
園長 菱田 由里子
 
12月の園だよりから
『すすめなくなったら とどまれば いい。むりしたら そうなん(遭難)するよ。
すすめるときは、かならず くるから』
絵本 わすれものをとどけに 亀岡亜希子 いのちのことば社 より
 この絵本を書かれた作者は、ご自分がいっぱい、いっぱいになった時に『しかし必要なことはわずかです。いや一つだけです。』新約聖書ルカによる福音書10章42節を基に、「今日の旅はここまでにしましょう…と言われ、今まだ行けるよと言うと、自分の限界は神様が決めて下さっているのだから今日はここまでにしておきましょう」と言われて救われたという思いからこの絵本を作ったと話しておられました。
 もしかしたら子ども達はそういうことを普段から実行しているのかもしれません。『すすめなくなったら とどまればいい。』…大人は『がんばればできた!!無理して成し遂げた!!』そんな経験もたくさんもっているから、どうしても子どもにもそれを望むのかもしれません。
 私は脳科学の専門家ではありませんが、おそらく脳の発達からみても、そうやって努力すれば…とか、怠けていてはいけないよ…というのはもう少し大きくなってから経験すればいいことだと思います。今、在園している園児の皆さんは3歳から6歳です。この時期に一番大事なことは、自分は愛されているということを感じることです。条件付きではありません。神戸女子短期大学食物栄養学科教授医学博士の平野直美先生は『愛され記憶』という言葉をお使いになられます。その記憶があることがこれからの人生の基礎となって自分を支えてくれます。人と比べて『できた』という肯定感はできないことがおこったときに総崩れになりますが、自分の中で『できた』という肯定感はたとえ、崩れるような出来事がおこっても又立ち直れます。
 無条件、見返りを期待しない愛です。「○○ができたから大好きよ。お母さんうれしいわ。」その気持ちを否定するものではありませんが、できてなくても、間に合って無くても大好きよ。幼児期のそんなときを大切に温かくお過ごし下さい。
園長 菱田由里子

 
 
11月の園だよりから
 早いもので、おせち料理、来年度の手帳、カレンダー…の案内が舞い込み、熱中症要注意と言っていた次の日には寒い!!
涼しい季節、気候のいい時期、お弁当もっておでかけしたい秋はどこにいったのでしょうかというほど気温差の激しい夏から秋への入り口でした。
 子どもたちもそれぞれ関係性が深まり、いよいよトラブル到来の時期です。『○○チャンなんかきらい!もう一生遊ばへん』
『あっち行って!そばに来ないで!!』『入れてくれない!!』子どもたちの言葉はとてもシビアです。もし、大人の世界で相手にこれらの言葉を使ったら、それはその方の全人格否定ということになりかねません。とても悲しいことです。
 ところが子どもの世界でのこれらの言葉は大人の世界とは意味が違います。言ったしりから、どう解決したのかわからなかったのに、ニコニコと一緒に遊んでいたりもします。もちろん、お家に帰ってからも言い続けていることもあります。いずれにしても子どもたちの少ない語彙の中から表すことばの中にはある行為が嫌だったので、そこさえ解決しあえれば大丈夫なものから、時間さえたてばいいもの、あまり意味のないもの、逆にすごく思い込んでいるものいろいろあります。
 なので、お家でもしもお友達のことを否定することを話したり、否定されていやで…ということをわが子がつぶやいていたりした場合はその“悲しみ”や“嫌度”を大人の自分の物差しで測らずに、“そうなんだ…○○だったのね(わが子が言ったことばのオウム返し)”と言って優しく受け止めてあげて下さい。それだけです。解決方法の指示や一緒になって悲しむ必要はありません。もし、自分の気持ちが心配で落ち着かなくなってしまった場合は担任や、副園長、園長など教諭に声をかけてください。一緒にどういうことになっているのかを共有し、分析しましょう。どうぞ、よろしくお願いします。 
園長 菱田由里子
 
2021.10月号園だよりから
いよいよ秋!気温38度!という日を脱し、今や、日によっては朝夜は心地よいを通り越して、寒さを感じることもあります。でも今しばし、暑い時は暑い!子どもたちの服装は…と悩まれることでしょう。大人は適宜、暑ければ脱ぐし、寒ければ何かを羽織ります。園にも、
『今日は1枚カーディガンを着せているので、お昼になって暑ければ脱がしてください。』という伝言があったりします。赤ちゃんの頃であるならまだしも、お預かりしているお子様は3歳、4歳、5歳…です。これは先生にお願いすることではありません。ご心配なら、お子様ご本人に『暑かったら脱ぐんだよ』と教えてあげてください。
『今、暑いから1枚脱ぐ』こういう事はいちいち大人に指示されてするのではなく、自分で感じてしてほしい事です。
 甲東幼稚園では経験を大事にしています。先生達も「さあ、みなさん、暑いから脱ぎましょう」と言うではなく、「○○ちゃん、汗だらだらで、真っ赤なお顔になってるよ」と何か手立てが必要であることを自分で気付くようにうながします。汗をふく、顔を洗う、お茶を飲む、服、沢山着てるから脱ごう…会話や、他の友達の様子を見てそのことに気づき、過ごしやすくなったという体験を積み重ねていくのです。
 ちょっとしたいろいろな場面で育ちのチャンスがあります。その育ちをしっかり見守ってみましょう。  園長 菱田由里子
 
園だより 2学期開始号
 緊急事態宣言発令中の2学期開始となりました。緊急事態宣言・新型コロナ変異株の怖さからイベントが中止されたり、オンラインになったりする一方で、withコロナと言われ、対策を徹底して各地でイベントが開催されていたりするので、『いったい私はどうすればいいのよ』と、皆様不安をかかえながら過ごしておられると思います。
 『自分の身は自分で守る』その上で『できない部分は助けてもらう』大人も子どもも一緒です。2学期が開始されたら、子ども達も各クラスでコロナのことも含め、少しずつ子ども達なりの防災防犯の視点からの考えを各クラスで話し合えたらと思います。
 夏休みの研修で講師の先生が『防災は恐いものではないのよ。』とおっしゃったことが心に残りました。子ども達に『○○になったらだめだから、○○になったらこわいから、こうしなさい!ああしなさい!』と、そのような教え方になっていませんか?ということでした。
 確かにコロナも地震も、浸水害もいろいろな災害は恐いことですが、その準備をすることは恐いことではありません。『私にはどんなことができるかな』『ここではどんな工夫ができるかな』と日頃から考えておきたいものです。
 とはいっても、幼稚園での生活は三密を避けることが難しく、子ども達は近寄って遊びます。そこを引き離し、無理な社会生活を子ども達に強いることは将来の育ちにどう影響するかと考えると、園ではのびのび遊べることが大事です。そして、まだまだ熱中症も油断できません。
 但し、今回の緊急事態宣言はとても重く受け止めています。食事の時の黙食も試してみましたが、食育を考えると小さい声で…というのが精一杯なので、パーテーションの確実な設置や消毒の強化をしていきます。大人とたくさん出会ってしまう登降園の時は子ども達も是非マスクをしてください。またぽっぽ組の利用も必要最小限にして下さい。具合がおかしいと思った時は積極的にお休みしてください。
 楽しく、のびのびと過ごせますように、教職員一同と保護者の皆様一緒に安心安全を作っていきましょう。よろしくお願いします。                      
園長 菱田由里子
 
1学期最終号(7/21配布)
評価
  評価…何がすばらしく、今後何を深めていけばいいか、どこが足りないか、今後どこを努力すればいいか…評価をうまく使えばどんどん業績UP!ですが、この評価が生活に影響し、苦しくなっておられませんか?
 世間での偉さや賢さの結果だけを重視して、できた・できていないの物差しで、測り、そこにしか価値を見いだせないでいると、せっかく幸せがやってきているのに、むなしさを感じるかもしれません。
 大事なのはできた・できていないではなく、その過程なのです。
あるがままを受け止め、認め合い、ひとりひとりの気持ちをわかりあうところからスタートです。
  自分と向き合う力、目標、どうなりたいのか、どんな人でいたいのか…価値観は人それぞれですが、少なくとも人間として歩み続けられるよう、共に見守り、支え合い、心豊かに過ごしましょう。
 暑い夏です。ご家族の皆様もどうぞご自愛なさってください。
園長  菱田 由里子
 
7月号(6/28配布)
 「いつまで同じ事やってんの?」「また同じ失敗して!」「前にも言ったでしょ」…言った覚えがある方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?
 そして、特に初めて何かに挑戦しようとしている子どもを見て、「あ、そうしたらダメよ!」「こうしたらうまくいくんだよ」「これはこういうふうにします」…幼児期の子どもに『教える』というのはどういうことでしょうか。
 生活の全てのことを子ども自身の発見で導くというのは、難しく、やはり『やり方を教えてから使う』ということもあります。例えばハサミの刃のところは切れるところ…等々。
 子どもが自分で気づき、考え、できるようになり、大いなる達成感を味わえるのがいいと思いますが、24時間の生活の中では、待てない事情や、教えざるを得ない事情、勝手に入ってしまう情報もたくさんあります。
 では、何を教えて、何を待てばいいのでしょうか。住んでいる場所、共にいる時間、各家庭のご事情で様々な考え方で決めていくことですが、基本の第一に“子ども真ん中”を意識しましょう。
 “子ども真ん中”は子どもの言いなりになることや、子どものわがままを聞き入れることではありません。子ども自身に判断させる内容も全てではありません。子どもは大人無しではまだ生きていけません。家庭の経済状況や大人の事情に関わる部分はいくら不条理でも、子どもの考えと違っても、大人が決めることです。そこで子どもは我慢することを覚えたり、気持ちを切り替えていくことを身につけてたくましくも育つことでしょう。世の中、何もかもが、自分の思い通りになるわけではないのです。
 でも一方で、自分の身の周りのこと、遊び、ちょっとした取り決めごとなど、“子ども真ん中”で、子どもにも決定権があり、その分、3歳なりに、4歳なりに5歳なりに、責任をもって行動できるようにしていけるといいですね。  
 自分の思い通りにいく時もいかない時も、子どもの気持ちは受け止めいっしょに、“悔しいね”“悲しいね”“うれしいね”“楽しいね”僕の私の気持ちをわかってくれる人になりたいものです。 
園長 菱田 由里子
 
6月号
 ICT化、リモート、オンライン…こういうことが急速に整備され、利用率もあがり、どんどん生活のスタイルが代わっていく中、置いてきぼり感があったり、『もう、わけわからん!』と投げ出したくなることもあります。
 高校や大学でパソコンの授業があるなんて、昭和30年台前半生まれの私どもの頃にはなかった話で、ましてや小学生でもタブレットを使った授業を受ける時代に突入しているわけで、このICT化スピードは加速するばかりです。
 そういう技術だけが先行し、私たちの心の準備や、子育てにおける準備がおいついていないのが現状ではないでしょうか。
 そろばんを片手に、墨をすり、筆を持って事務仕事をするということは、もはや考えられないのと同様に、お金を数える作業や、ペンで字を書くということは考えられなくなる時代もやってくるのでしょう。
 お金の使い方の教育はよく考えていたものですが、それすら、持っているお金ではなく、見えないお金について子どもにどう教えるのか…世の中は今やpaypayです。そして、携帯の扱い方、いつから持たせるか等はよく考えていたものですが、それすら、持たせる、持たせないではなく、何が危険で、どう危険を察知するかを教えていかなければなりません。
 人とのつきあいやお仕事のあちらこちらでICT化を無視することはできないので、上手に利用するなり、上手に利用しないなりが必要となってきます。
 幸せ感を持ち続けるために、やはり基本は幼児期に培われる自己肯定感。私は大事・大切な人=あなたは大事・大切な人。幼児期の間に自分とは違う考え方、価値観も違う、感じ方も違う人がいることに気づき、いっぱいケンカをしたり、楽しい思いや嫌な思いを経験し、人として生きていく大切なことに気づける大人になっていってほしいと思っています。
園長 菱田由里子
 
5月号
 『コロナ恐い』おそるおそる新年度が始まり、ますます感染拡大していく中で、緊急事態宣言下の大型連休がある5月です。でも5月と言えば青空、そよ風、緑…そういえば、テレビで以前、辛坊次郎さんという方がヨットセーリングでの太平洋横断のお話で、『風を楽しみ、風を感じ、セーリングするのが目的であり、太平洋横断はその結果としてついてくるもの…』というお話をされていました。これは保育、子どもの育ち、子どもの遊びに通じるものであり、テレビを見ながら感激した私です。
 “○○ができるために、記録を伸ばすために努力する”というのは学童期以降の子ども達の育ちで、幼児期の子ども達は真剣に興味のある遊びに没頭していたら、結果○○ができたということもありますが、大事なのはその○○ができたことではなく、興味のある遊びをみつけたり、自分から動き始めたりすることです。まだ、うちの子、何もしないからと焦ってこれは?あれは?と誘導を通り越して命令になってしまうのは、子ども自身の心の輝きにつながりにくいことも多いです。
 さあ、何を一生懸命遊ぶかな?草をひっぱること?水をひっくり返すこと?ただひたすら走ること?空をじーっと眺めること??何気ない遊びを大人も一緒に楽しんでみようではありませんか。              
園長・菱田
 
4月号
ご入園・ご進級おめでとうございます。
春は桜の季節、花粉症の季節、羽ばたきの時、変化の時…。大人も子どもも3月~4月にかけて年度がかわるという日本の仕組みの中で、何かしらそわそわしている時ではないでしょうか。
幼稚園生活が、子ども中心に、保護者の皆様、教職員共、そのそわそわが⇒ドキドキ⇒不安すぎて…ではなく、そわそわ⇒ドキドキ⇒わくわく!となっていくための秘訣をお伝えします。
『こんなはずではなかった…』と思うことの積み重ねをしないように、入園・進級の当初から何なんですが…言っちゃえば、あきらめましょう!!
つまり、まずは心配しない…『先生や部屋が変わって大丈夫かな』
『一人で保育室に入れるかしら』『困ったことを先生にちゃんと伝えられるかな』『先生が気がついてくれるかしら』『お友達と仲良くできるかな』…新学期の心配事はいくらでもたくさん用意することができます。でもそれは、そういうことがちゃんとできねばならないという前提の裏返しです。『ようちえん行きたくない、ママがいい』と大声で泣いていいじゃないですか。おもらししてもいいじゃないですか。お友達と喧嘩してもいいじゃないですか。一つずつ、子どものペースで経験を積み重ねてきましょう。全て、子ども達の生活の一部であり、成長の積み重ねができる状態なので、失敗の積み重ねではないのです。
 それが幼児期の大切な“学び”なのです。その子どもなりに自分で立ち、自分で一歩踏み出す大事な時なのです。「大丈夫?一人で行ける?」ではなく、「大丈夫!いつかは一人で行けるんだから…」と、子どもの世界にゆだね、子どもの気持ちを受け止め、ゆったりと成長の時を一緒に見守っていきましょう。              
園長 菱田 由里子
 

園だよりから

園だよりから
 
2020年度最後の園だより
今年は丸1年コロナウイルス感染拡大に悩まされた年度となってしまいました。この園だよりを作っていても当日まで、そしてこれから先も皆が無事、各クラスに登園することができますようにと、切に祈ります。
ご家庭におかれましても、『うつさない・うつらない・ひろめない』この為に、とてつもないご苦労があった
こととお察しいたします。
ようやく、ワクチンという声が聞こえてきましたが、まだまだ完璧に治療できる病とも言えず、尚一層、気をひきしめなければなりません。
とはいえ、春です。進級、進学、入園、入学といろいろと子どもたちの状況が変わりますが、どうぞ皆様それぞれの場にあってお元気でお過ごし下さい。  副園長 菱田由里子
 
3月号の園だよりから 2021.2.25
いつもその場にふさわしい表情をされていますか?…ご葬儀の場で笑っているつもりはないのに、笑顔に見られてしまったり、笑顔になろうと思うと相当意識しないと表情にあらわれなかったり。
自分の気持ちにぴったりの表情でおられていますか?…大丈夫ではないのに、取り繕ってほほえみを見せていたり、不機嫌なわけではないのに何を怒ってるの?と言われてしまったり。
人の気持ちと行動は本当に不思議です。自分のコントロールさえ難しい時があるのに、相手の気持ちを想いはかり自分も不利益にならないように動こうなんて、なんと難しいことでしょう。
そんな大人の世界の気持ちのコントロールを子どもたちの世界にあてはめて、わが子を見てしまっていませんか?乳児はもっとストレートです。嫌いは嫌い!!イヤはイヤ!!それが幼児になり、だんだん複雑化します。でも大人に比べてまだまだストレート。イヤといってもほんのそこだけ、あるいはほんのその時だけ、あるいは気持ちのもちようはいろんな要因でかわっていきます。暖かくゆったりと見守りましょう。
                 副園長 菱田由里子
 
2020年度園だより2月号2021.1.29
 マスク、手洗い、消毒、3密を避ける、不要不急の外出をしない…それぞれが気をつけて感染対策をとっているからか、今のところ、『インフルエンザの流行』という言葉が聞こえてきません。ですが、新型コロナ感染拡大はなかなか終了!というわけにはいきません。しかも“ウイルスに感染して免疫つけて終わり”ではなく、重症化、後遺症、亡くなる方もおられ、さらにはまだまだわからない事だらけとなると、今の私たちには本当におそろしい病気です。苦しんでいる方が沢山おられます。それでも、きっと、そのうち人類はこの病気も克服していくのでしょう。でも子どもたちは“今”が大切です。コロナ禍にあっても、のびのびと遊び、のびのびと生活し、のびのびと成長してほしいものです。そのために大人ひとりひとりがしっかりと感染防止の行動をとり、同じ時期に甲東幼稚園に在籍している、また在籍していた仲間としてお互いに心の支えとなれますように“今”を大切に過ごしていきましょう。                  
副園長 菱田由里子
 
2020年度3学期開始号2021.1.8
 新しい1年が始まりました。元旦は、昨日から今日になっただけなのに、何故か空気まで新鮮な気持ちを与えてくれます。このお正月も新型コロナ感染症と戦っておられる方、ご家族、医療従事者の皆様、濃厚接触者として心配の真っただ中におられる方…平安な日常の日々が早く訪れますようにお祈り申し上げるばかりです。
 さて、「一年の計は元旦にあり」と申しますが、子育て真っ最中の保護者の皆様、わが子はどんな子どもになってほしいですか?
 いい子、育てやすい子、子どもらしい子、元気な子、なんでも言える子、やさしい子、思いやりのある子、自己主張のできる子、強い子、なんでも自分でできる子、明るい子、一生懸命取り組める子、挨拶が気持ちよくできる子、嘘をつかない子、持続力のある子、瞬発性のある子…書ききれない位のフレーズが出てきます。ぜーんぶ正解!親である以上、わが子に不幸せを願うはずはありません。
 でもそれらのフレーズは親の希望であり、子ども自身の生き方を意味するものではありません。
 子ども自身はそんなに器用に世渡りができなかったり、そんなに思うように自分の気持ちを伝えられなかったり、実はやさしいのに乱暴なところが目についたり、実は一生懸命しているのにちゃんとやってないように見えたり……
 つまり、大切なことはいかに真意に気づき、気持ちを受け止め、時には共に泣き、時には励まし、見守っていけるかということです。子どもといえども自分ではない人です。その人の心をみるには想像力が大切。子ども達には、幼稚園の間にいっぱい心弾ませ、想像の世界でも遊び、考えたり、模倣したり、発見したりしながら、素敵な大人になってほしいなと思います。               
副園長 菱田由里子
 
2020年度2学期終了園だよりから
 早かったのか、やっとここまでたどりついたのか?
ともかくもう年の瀬。今年度もあと3学期のみとなりました。
新型コロナ感染拡大防止の為とはいえ、今、このときを幼稚園で過ごす子どもたちから“幼児教育”の時をうばうことはできません。むしろ“豊かに過ごす”“幼児教育を全うする”とはどういうことか…この3歳、4歳、5歳という時期に甲東幼稚園に集まってきた子どもたちにとって、与えられた集団教育の経験で必要なことは何かを、教諭も今一度しっかり見つめ直す機会となり、必要なことに十分時間をとることができた2学期だったと確信しています。
幼稚園は結果としては“思い出作り”の場所となりますが、思い出作りのための保育をする場所ではありません。1人1人の子どもたちの成長のために、今後1人1人がどうやって大人になっていくのかを考えた時に、この時期にしなくてはならないことをするのが“幼児教育”です。
それは早期習得、小学校に行く前に○○ができるようになるという小学校の練習ではありません。結果、そのように見えてしまう部分もありますが、今、必要なのは、“自分で立つ”ということです。
今まで100%全時間を保護者に守られ、保護者の手の内にいた子どもが、幼稚園の門で「行ってきまーす」と離れていきます。保護者の知らない子ども自身の社会へ入っていきます。そこで、自分の大切さ、他者への思いやり、折り合いのつけかた、いろいろなことを経験します。不思議だな、何故? どうやったらできるの? 協力しよう!…やってみたいという力をどんどんつけていきます。幼児教育の本意はそこにあります。
20日足らずの冬休みですが、どうぞ各ご家庭にて元気にお過ごし下さい。素敵なクリスマス、楽しいお正月になりますように。
             副園長 菱田由里子
 
11月末の園だより
“おもいで”ってなぁに?…幸せな時の宝物!いつまでも“おもいで”を
積み重ね、時に振り返り、2重にも3重にも生きていることの幸せをかみしめたいものですね。そのための必需品は? 元気、笑顔、経験、成長記録…となると、日常とは違うできごとや行事は全て写真に残したくなります。でも、本当は思いっきり心弾ませ活動したことが心に残るのです。写真の枚数ではありません。大人も子どもも本気で楽しみ、真剣に活動するから心に残ります。クリスマス、お正月、冬休みのひととき…日常の小さなひとこまを真剣に楽しむ経験を積み重ねましょう。
副園長 菱田由里子
 
2020年度 11月の園だよりから
できた!!
 『自己肯定』何度もお伝えしているワードの一つです。「ここにいていいんだ」「自分は大切」ということも含み、自己肯定感はプラス思考にもつながっていき、プラス思考は活動する力、考える力、いきる力を支えるものにもなっていきます。
 そのために今、必要なのは、子ども自身が「できた!」と感じ、それを周りの人も一緒に喜んでくれることです。その「できた!」という感覚…実は大人とは、ずれている事も多く、大人からすると、「いったい何ができたの?」「昨日もできてたやん」「そんなん、できて当然」な事も混じっています。でもポイントはできた結果ではなく、本人がとても喜びに満ち、「できた!!」「見て!見て!」と輝いているところ…そこを、一緒に喜ぶことです。子どものみならず、お家の大人の皆様も自分のできている部分を自分で認めてあげて下さいね。認めてあげる内容は、些細なこと、誰かにとってはできて当然のこと、そんなことでいいんです。皆さんで輝きましょう。副園長 菱田由里子
 
2020年度 10月の園だよりから
運動会の形が随分かわりました。コロナ感染症拡大防止策ではありますが、それにもまして、この3・4・5歳児の心の育ちに果たして小学校のような運動会が必要かというそもそもの疑問もあります。発達段階の違いは皆、様々で幼児期にはまだまだその差も大きいです。ついついわが子はまだ前回りができないなどと、人と比べてしまって、せっかくのびようとしている子ども達の力を苦手という意識に変えてしまうこともありがちです。
保護者の皆様には是非、一人一人が輝いてのびのびと運動遊びを楽しんでいる日常の姿を見ていただきたいのです。そこに身体と心の成長がみられます。副園長 菱田由里子
 
2020年度園だより9月 2学期開始号
『園庭草っ原計画』については、1学期の休園中にようちえんネットでお伝えしていますが、最近、園庭がますます“でこぼこ”になってきました。私も教会に用事があるとき、斜めに園庭を横切ろうものなら、足を取られてくじいてしまいそうになるぐらいです。 さて、この園庭、実は、意図的に作っています。
今までの整地された小学校運動場のような園庭を良しとしてきたことからの変更です。運動能力的にも活動的にも小学生にはあの運動場が必要なのでしょう。でも、3・4・5歳という幼児期に必要な園庭とはどういったものなのでしょうか。
子どもたちは整地された道路を歩き、整えられた公園を自然と称して遊ぶことが多く、現在の家庭生活、地域の生活では得にくくなっている環境が、このでこぼこ、どろんこ、草っ原です。毎日このでこぼこに足を取られそうになったり、こけてしまう…そこを走り回ったり、飛び跳ねたりながら、思いっきりそこで自分の好きな遊びを繰り広げる事で、自分で自分の身体をコントロールする力がつき、身体の発達も脳の成長も随分かわるのです。
身体の発達のみならず、心の発達・気持ちのコントロールにもつながり、大いに子ども達の生きる力をはぐくみます。園庭を通行される大人の皆様、こけないように、本当にお気をつけ下さい。     副園長 菱田由里子
 
2020年度7月最終日
絵本読んで
 絵本貸出も数回ありましたが、いかがでしたか?
 幼稚園から絵本を貸し出しているのは、絵本を大好きになってもらうためです。字が読めるようになるためではなく、まず、この幼児期に“親子で絵本にふれてほしい”これにつきます。“絵本にふれる”って? お膝にだっこして一緒に見たり、寝る前に布団の上でお家の方の声を聴く…
  絵本の字を一つ一つ読んでもそれは字を読んだことにすぎません。大切なのはそうなる前に、“絵本にふれる”つまり、絵をみながら大好きな人の声で読んでくれる文を聴き、絵本の中に入っていくことです。そうするとよく“絵本の絵が動く”といわれています。
想像の世界です。夢の世界です。そうすることで生きていく力として大切な想像力が養われ、それは人との関わりにおいて、今後の学習において、仕事をすることにおいて…生きていく力の基となります。夏休みも是非、1日のうちの5分だけでも、親子で絵本にふれる時間を作ってくださいね。    
副園長 菱田由里子
 
2020年度7月号
何十年も当たり前のように4月入園だった幼稚園、今年度は初めて6月入園となりました。この2ヶ月、各ご家庭で子ども達はすくすくと育っていたことを感じました。まず、園に慣れるのが早い!一人で部屋まで行ける!先生の話、聞いている!…もちろん、個人差はありますが、4月入園の時よりやっぱり2ヶ月分それぞれ大きくなってからの園生活の開始でした。
さて、そこで、子ども達に是非是非やってほしいことがあるのです。とっても大切なこと…それは、五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)全部を使って、全身で感じ取ってほしい、感じ取ろうとする集中力を養ってほしいのです。それが、将来、学習の基礎力になったり、試行錯誤していく力になったり、生きていく力の基となります。
たとえば、「この葉っぱ、いい臭いでしょ」といわれて臭いに気づくのではなく(もちろん、そういう経験も必要)、でも、たまたまそこにあった葉っぱを見て、自分から触ってみて、揺らして音を感じ、臭いをかぎ、どんな味だろうと夢をはぐくませる…等々。なめてはいけない葉っぱ、ミントのようにお茶にして味わえる葉っぱ、柔らかい葉っぱ、しゅっと触ると指が切れてしまう葉っぱ、分厚い葉っぱ、緑といってもいろんな緑、ちぎったらどうだろう、すりこぎですったらどうなるだろう、細かくしたらふりかけ(ままごと)になった!葉っぱひとつでもいろんな感じ方を子ども主体でしてほしいのです。そういうことを園庭、保育室、テラス、登降園の道中、お家…いろいろな場所で経験してほしいと思います。大人の役目は「こうして遊べ、ああして遊べ、誰と遊べ…」という指示ではなく、子ども自身がやっていることの『認め』です。「何をしているの?おもしろそうね」時には大人も一緒にやってみましょう…こっちのコップからあっちのコップにただただ水を移し替えているだけ…とかネ!!さあ、今日、わが子は何をやらかしてくれるでしょうか?
暑さもだんだん厳しくなっていきます。家庭にいるのとは違って、集団生活では子どもも疲れてきます。無理をしないように休憩して下さい。副園長 菱田 由里子
 
2020年度4.5.6月合体号園だよりより
今年度のキリスト教保育年主題はこころが満たされる
 今年度の始まりは決して~心がみたされる時~ではなかった!というのが、本音ですね。理不尽な…そんな不条理な…そしてまだ今も不安を抱えています。
 おうちの皆様に守られている子どもの日常の世界さえもそうです。子どもの生活の多くの部分は保護者(親とは限りません)が握っていて、そこから離れると、もう食べることすらままならなくなるのが子どもの世界なのですから…
 今年度の年主題は子どもの思い通りにしてあげて、心満たそう!ということのように読めてしまった方もおられるかもしれませんが、実は“主にあって”こころ満たされるということなのです。神様に守られて育つ子どもたち、イヤなことも含めていろいろな経験をしていく中から、自分自身で考えて、決めて、歩み出すのが幼稚園での第1歩です。その中で“こころが満たされる”素敵な経験もたくさん積み重ねる事でしょう。
そのためにもまずは、なるべく早く門で保護者の方と別れ、自分で歩いてクラスへ行けるようにしていきましょう。泣いていても大丈夫。子どもって、お家の方と離れた後の方が落ち着くことが多いですよ❤
神様は私たちの名をいつも呼んでいて下さいます。おいのりしましょう。何も形はいりません。心の中で思っていることを神様にぶつけて、最後にアーメン(その通りです)と付け加えます。正しいお祈り、間違ったお祈りそんな心配はいりません。思ったことを心の中で話せばいいのです。「かみさま、○○○」
本当は無邪気に乗り越える力ももっている子どもですが、親がその力を奪ってしまうこともあります。そうなる前に自分が抱えた心配事はどうぞ、担任や主幹、副園長…と、いろんな先生とおしゃべりして安心に変えていきましょう。       副園長 菱田
 
2019年度最後の園だより
コロナウイルス感染拡大防止策
突然の、長期にわたる休園、各行事の中止…本当に悲しい出来事を積み重ねました。この園だよりを作成する間にも、刻一刻と情勢が変わり、4月まで引き続き同じ状態が続くのか、希望を持っていいのかと、案じています。
ご家庭におかれましても、『うつさない・うつらない・ひろめない』この為にとてつもないご苦労があったこととお察しいたします。少しでも早くいい兆しが見えてきますように、祈るばかりです。
 
   …………………………………………………………………
 
認定こども園2年目。質のよい保育・幼児教育の提供、子ども達のための保育でありたい願い、そのために行事を見直し、そのたびにその行事を楽しみにしてくださっていたおうちの皆様に、たくさんの変化を受け入れていただいた1年でした。そしてさらに最後がまさかの新型コロナウイルスの感染拡大。2月末までは、ここまで大変なことになるとは予想しきれていませんでした。まだまだ不安の中、卒園・修了となった2019年度。私にとっても忘れない年になりました。各ご家庭においてたくさんのご理解、ご協力を本当にありがとうございました。卒園の皆様はどうぞ、幼稚園での生活を土台に小学校で輝いてください。また、幼稚園にもお立ち寄りくださいね。進級の皆様は引き続き子育てを一緒に考え、子ども達の成長を見守って参りましょう。
                      副園長 菱田 由里子
 
2月末の園だより
1月はいく、2月はにげる、3月はさる…そのようになりそうですね。3学期だからといって、子どもの生活が慌ただしくなるのではなく、日常通り、沢山の遊びを経験してほしいものです。
今日は何をみつけましたか、何かに夢中になったり、何もしないでつまんなかったり、淋しくなったり、怒ったり、泣いたり、笑ったり、擦り傷にたんこぶ…子ども自身がもっている力が発揮できるように、お家の方はいっぱい心配しながらも、子どもの様子をしっかり見守っていただいていることと思います。いよいよ1年間のしめくくりの時です。日々の素敵なできごとに気づけますように。    副園長 菱田由里子
 
2月の園だより
 西宮市には“教育大綱”というものがあり、このたび改定がなされている最中です。その教育大綱を基に西宮市幼児教育/保育ビジョンが策定されます。西宮市の0歳から5歳までの就学前の子ども達を対象に幼児教育・保育の質の向上を図るため、西宮市で目指す教育/保育の方向性が示されます。
 それは、園はもちろんのこと、ご家庭、行政、地域、大人…全市民に向け西宮市では子どもたちにこう育ってほしいと願うもので、そのためにはこどもたち一人一人の自発的な遊び(今は何もしないという遊びも含めて)の大切さもその一つとなっています。
 甲東幼稚園の子ども達、ひとりひとりに皆さんは何を願いますか? 健やかに、幸せに…それを支えるために教育・保育の部分で、甲東幼稚園として、家庭教育として、“遊び道具を提供し、このように遊ぶのです!”ではなく、じっくりと、“なにする?”“どうする?”と、“ねばならない”ということから開放され、こころいっぱい遊べるように見守っていきたいものです。
 
年少組クラスだよりから
<研修で学んだことから少し…>
〇心の育ちを考えるとき、願わしい心の育ちばかりを議論せず、子どもが負の心を動かして生き
 ている現実に目を向けることが大切である。それは、頑張る心、相手を思いやる心、人を信頼
 する心、自立しようとする心の裏で、投げだしたい心、自分勝手な心、人を信じない心、甘え
 に逃げ込みたい心も動くということに目を向けなければならない。
〇信頼感の裏には不信感が、自己肯定感の裏には自己否定感が、自立心の裏には依存心が、優し
 い心の裏には意地悪な心がある。子どもも大人も正負両面の心を動かして生きる存在であるこ
 とを踏まえて心の育ちを考えていくべきである。(京大名誉教授 鯨岡峻先生の講話より)
★親は、子どもがこの先困らないようにと早め早めにいろいろなことが出来ることを望みがちに
 なります。しかし、子どもの心の育ちは難しく、何かがきっかけとなり正の心が負の心に転じ
 ることがあるのです。なので、失敗や挫折をした時に子どもが負の自己感に陥らないために
 配慮しないといけません。愛され、認められる経験を豊富にもつ子どもは、失敗や挫折を乗り
 越えて、再挑戦に向かう強さをもつのだと学びました。一人一人の子どもたちの今を認め、
 家庭と園とでしっかりと神の子どもたちを愛していきましょう。       主幹教諭
 
1月の園だより
 
もうすぐ、クリスマス、もうすぐ、お正月…そう言っている間に2週間、3週間…28日までお仕事で4日からまたお仕事だった皆様、やっと平常に戻るとホッとされてる皆様…いろいろなご家庭の姿があることと思います。でも、皆様、ともかく3学期が始まりました。
 寒さも厳しくなり、風邪やインフルエンザ、熱に咳と、心配しだすととまりませんが、子どもって、本当に年々強くたくましく大きく成長してくれます。そのときそのときを皆様で支え合って、楽しく過ごしていきましょう。
 子どもたちが自分でできる!ということを一緒に喜ぶために、大人の役目も重要です。一番大きな“役目”は、“見守る”です。口出しせず、手出しせず、放任せず、そのバランスが難しいのです。ついつい先回りしてしまう大人です。もし、先回りしていても、さあ、ここまでおいでと、両手を広げて待っていてあげたいものです。私のイエス様のイメージもそんな感じ。こっちにおいでと辛抱強く待っていて下さいます。もうダメだと思っても、その人の耐えられない試練は与えられません。(聖書コリント信徒への手紙市10章13節)いつでもしっかり見守っていてくださいます。
 そしてそばには家族、友達、仲間、知り合い…、知らない方の中にもいざというときに助け手になって下さる方もおられます。もし、1人で子育てがんばっていて“孤育て”になってしまってると感じる方がおられたら、きっと、周りの味方に気付く余裕がないだけ。1人ではないですよ。共に“子育ち”をみていきましょう。   
副園長 菱田由里子
 
 
2学期の園だより~副園長のつぶやき~
 
2019.12
 今年もまもなく年の瀬。何がどう慌ただしいのでしょうか。いつもとどう違うのでしょうか。
子どもにとっては平日のある日がたまたま年末であり、お正月でありということだろうと思いながらも、子どもだって、もうすぐお正月とワクワクする季節を過ごすことでしょう。
 では子どもにとって、普段通りというのはどういうことでしょうか。大事なのは自分を愛してくれる人がいることを感じ取り、自分もいろいろな気持ちを発信し、心豊かに過ごせる毎日…泣いたり、怒ったり、笑ったりの繰り返し…自分自身で感じる心をいっぱいもっている子ども達です。感じて、気づいて、行動して、考えて、それぞれなりに工夫していっぱい遊ぶ。それができるように、まずはしっかり受け止め、待ち、見守ることができる大人になりたいものです…結構むずかしいです。ついつい口出ししてしまうし、ついつい手伝ってしまうし、ついつい教えてしまいます。でも大丈夫。そういうこともしながら、受け止める・待つ・見守るということを大切に過ごしていきましょう。
 いつも思うのは、水も冷たく、曇りの日も多い寒い12月に大掃除しなくてもと思ってみたり、そんなにお餅だ、おせちだって言わなくても、31日までお店は開いていて、次の日1日からまた開いているところもあるのにと思ってみたり…
 でもやっぱり、お正月。形は変わってきたけれど、新年あらため、身も心も引き締めて、また今年も1年ありがとう、また今年も1年よろしくという心は引き継ぎたいものですね。
 
2019.10.30
先日、幼保小つながり推進事業の一環として甲東幼稚園が甲東Ⅰ地区の小学校、幼稚園、保育所の先生方をお招きし、公開保育や保育について話し合う相互研修の時をもちました。子育て総合センターを始め、幼保小の先生方、9名にお越し頂き、当園教諭6名と幼児教育は小学校の準備教育ではない事、小学校へ行く為に○○ができるようになることが目的ではなく、園児自身が知りたい、やってみたい、考えてみる、自分で行動する、友達と関わりたい…そういう意欲をもち、遊びを通じて生きる力をつちかうことが大切ということを確認し、当園や他園の保育についてまた小学校教育とのつながりについてよき学びの時をもちました。そのことが教諭にも力となり、園児1人1人の成長の支えとなることを確信したひとときでした。
 
2019.9.27
テラスに座っている子どもに、「さあ、ぶらさがれるものをみつけて、ぶらさがってみよう!」子ども達は目も頭も身体も使い、思い思いに力を発揮しました。これなんです!!
ついつい大人は鉄棒などぶらさがれる物を用意してから
子ども達に指示し、子ども達が自分で好きなぶら下がり方を
したことで子ども自身の活動と大満足。でも子ども達は自分で、できる生きる力を大人が思う以上に持っているのです。
おおいに発揮させてあげたいものです。  
 
2019.9.2
2学期です。実りの秋を感謝し、心も体も大きく成長しましょう。
2学期は、運動会や遠足、芋掘りに大根抜き…12月のクリスマスまで
の間に色々な行事や催しがあります。
実りの秋、きっとおいしい食材にもいっぱいめぐり合うことでしょう。
好き嫌いが多かったり食べることに苦手感のあるお子さまも、おいしそうに
食べている周りの大人やお友達を眺めながら、楽しい食のひとときを持てる
チャンスです。
運動の秋、いっぱい遊んで、いっぱい見つけて、いっぱい驚き、楽しみ、
心も体も、また一回りも二回りも、大きくなることでしょう。
この2学期も私たちをいかしてくださる神様に感謝をして過ごしましょう。
保護者の皆様にも保育へのご協力をお願い致します。大人も子どもたちと共に
成長する秋になりますように。
 
2019.7.18
朝の門ではタッチであったり、大きな声であったり、わざとよそ向いたり…それぞれなりの挨拶。少しずつ、幼稚園という社会の一員としての自信がこのご挨拶にも現れてきました。
もちろん、楽しいときも嫌なときもいろいろいろな気持ちをかかえながら、その気持ちをどう処理したらいいのかを、3歳なりに4歳なりに5歳なりに感じ、考え、自分らしさをみつけながらの幼稚園生活です。いよいよ夏休みに入ります。続きは2学期。といっても、子どもの成長は途切れるわけではありません。夏休み中もいろんな発見をし、感動をし、想像力もいかしておおいに楽しんでほしいと思います。
夏休みはそれぞれの家庭で、どうぞ事故や病気に気をつけ、ゆったりとお過ごし下さい。2学期に夏休みの楽しかったことを 聞かせてください。
 
園だより7月号
~楽しく遊ぶ~
何気なしにおいてある、木々の端切れ、葉っぱ、何かの実、ここから
子ども達の遊びが無限に広がっていきます。
ある日は、ジュースやさん。すりこぎですりつぶすと、黄色いジュースの
完成!大喜びでいそいそとコップにうつすと、色が消えてしまうのです。
で、おかしいと思って、もう一度すり鉢に戻すとやっぱり黄色いジュース…
不思議な顔つきで何回もやっています。結局その日は意味がわからなかった
のですが、そのうちに気づくのです。コップの色がそのジュースの色と同じ
だったのです。これが幼児期の学びの姿です。
早急に理論や理屈や仕組みをおそわらなくていいのです。自分でやりたい
と思ったことをやりたいようにやってみる。その偶然から得た知恵は自分の
ものとなり、小学校にむけて意欲的に学ぼうとする姿につながっていきます。
幼稚園ではそういう偶然の体験ができるように、仕掛けをします。仕掛け
というのは例えばクラス皆でのごっこ遊びであったり、例えば自由活動の場
にそっと絵の具のコーナーを作ってみたり、虫に出会える環境を整えたり、
友だちとの関わりも大きな仕掛けの一つです。 副園長 菱田由里子
 
 
2019年6月号より 誰と遊ぶ? 誰と遊んでいるの? 誰と遊んでほしい?
1学期も中盤に入ってきました。参観日やオープンスクールがあっても、なかなか毎日毎日の普段の子どもたちの様子のすべてをご覧いただくことはできません。そんな中、親として気になることの一つに“お友達とうまくいってるのかしら?”ということがあるかと思います。“誰とあそんでいるのかな”
 
『男の子とばっかり遊んでいる』『女の子とばっかり遊んでる』『ひりで遊んでいる』…心配はつきません。でも、誰と遊ぼうが、どう過ごそうが、それは大人が決めたり指示したりすることではないということを肝に銘じておきましょう。
誰と遊んでるか…どうしても気になる時もありますよね。…それは自分自身がそうだったから? 女の子(男の子)と遊べなくて寂しい経験した? あるいは女の子(男の子)と遊べてとっても楽しく過ごせた?…わが子はわが子であっても、自分ではありません。
“うまくいく”ってどういうことでしょうか…ぶつかり合いもケンカも無しに、イヤな思いや寂しい思いも経験せずに幼児期を過ごしてしまうのではなく、ぶつかり合い、ケンカをし、幼稚園イヤだ!の時も過ごし、結果として“うまくいってる”になってほしいものです。おうちの方の不安は子どもに「大丈夫?」「うまくできてるの?」と聞くのではなく、担任や副園長と話しをして一緒に考えていきましょう。よろしくお願いします。
子育て相談も是非、ご活用下さい。また、臨床心理士さんによるカウンセリングを今年もご案内出来る方向です。後日、お手紙でおしらせします。    副園長 菱田由里子
 
2019年度5月号より 
『質の高い保育』という言葉をお聞きになったことがありますか? この言葉は『早期教育』ととらえてしまいがちですが、『質の高い保育』とは早い時期に技術や知識を詰め込むことをいうのではありません。では何をするのでしょう…この幼児期に個々それぞれに“今、しておかなければならないことを十分にする”つまり、探究心であったり、向上心であったり、自己肯定感であったり、人間関係の基礎を築くことであったりの“生きる力”をしっかり育てることが大切です。
 そのために、自由活動での姿…繰り返し水を運んでいたり、毎日ケンカしていたり、こけて
痛い、友達になにか言われてくやしかったり、きつく言ってしまっていることに気づいたり、なんで走っているのかわからないけれど楽しかったり、友達のことをじーっと見ているだけだったり、子どもの世界の中にいてそういう日々の姿に着目し、何気ない一コマを見守ると同時に、意図的に教育プログラムとし、自由活動と設定活動を通して育てていきます。
あるがままに受け止めるところからのスタートです。           (副園長・菱田)
 
今年度のキリスト教保育年主題は
ことばにみたされて~ひびきあう~
 ~ことば~とは、小学校の国語の授業のイメージでの“ことば”ではなく、幼稚園では、園児にとって最も大切なコミュニケーションのことと受け止めています。。手振り見振り、表情、動作…いろいろな手段を使いながら、相手の自分の違いに気づき認め合い、どう折り合いをつけていくのか…大人として子どもの姿をしっかりと見守ることがとても大切です。
 『こうしなさい!ああしなさい!』という大人の指示で自分の考えなしに動くのではなく、3歳でもまずは自分の思いに気づき、泣きわめいたりしながらでも、自分の行動を決めていくのです。幼稚園には“笑顔”と“涙”と“ぶつかり合い”があります。先生達とお家の皆様で子どもたちを見守ったり、認めたり、励ましたり、アドバイスしたり、一緒に成長していきましょう。
そのためにもまずは、なるべく早く門で保護者の方と別れ、自分で歩いてクラスへ行けるようにしていきましょう。泣いていても大丈夫。子どもって、お家の方と離れた後の方が落ち着くことも多いですよ❤
ご心配はどうぞ、降園後に担任や主幹、副園長や補助教諭…と、いろんな先生とおしゃべりして安心に変えていきましょう。                副園長 菱田
 
2018年度 園だより 最終号
どんな1年でしたか?素敵な思い出が増えましたか?
 新入、進級、転入園…いずれにしても、子どもたちは新しい世界で、自分の居場所をみつけ、保護者の皆様と離れての数時間を子ども同士の集団の中で先生と一緒に過ごしました。生まれてからまだ、3年~6年しかたってないのに、自分で判断し、自分で決め、自分で動いたり止まったり…
 この子どもたちのキラキラした瞳、じっとしていて動いていないように見える子どもでも見つけてやるぞ!感じてやるぞ!気づいてやるぞ!試してやるぞ!…と、心がはずみ、日々、新しい事への挑戦です。
…今日はお水をこんだけ運んだ!今日は砂場にこんだけ穴ほった!今日はこんな速さでいっぱい走った!今日はお友達がしていることをじぃ~っと観察したよ!…と。
 年をとってくると、平常通り、いつも通りを守っていく大切さがあることをよく知っていて、それに甘んじて、なんでも“今まで通り”の方が楽で、新しいことに踏み込む力がなくなっていることにさえ気づかずにいます。そんな中、本当にこの子どもたちに囲まれて過ごさせていただいた1年、また大きな生きる力を蓄えることができました。
 保護者の皆様も、甲東幼稚園の幼児教育・保育に大きなお力を貸していただいてありがとうございました。来年度も皆様と一緒にこの地域の幼児期の子どもたちを見守り、今の子育てを考えていきたいと思います。子どもたちが心豊かに育つことができますように。        副園長 菱田 由里子
 
2019.1.30から
1月の身体測定で、驚いたことが2つ。体重が減っている子どもが多かったです。体重計の微妙な具合?それとも、胃腸風邪やインフルエンザのあとだから?そんなことを思いながらも、身体測定の結果の見方としては、“○○g増えた”“○○cm伸びた”と毎月の結果だけに翻弄されないようにお願いします。できるだけ正確に測定するようには心がけていますが、その時の体の傾きや動き、髪飾りなどで、誤差はつきものです。4月と比べて“どれくらい大きくなったかなー”と見てください。
 それにしても、随分厚着なことにも驚きました。昔は半ズボンに靴下、寒い日はハイソックス…それでも寒ければ長ズボンに靴下、スカートにタイツといったところでしょうか…今回、拝見していると、ズボンの下にタイツ、ズボン下…ズボン下なんか、おじいちゃんのはきものだと思っていました。着すぎじゃないでしょうか…子どもたちは動き回っていますよ。
   といいながら、今日は寒い!!ましてや朝、自転車に乗せられてじっとしている子どもたちは寒いよねー。自転車から降りるときに2枚脱ぐ??風邪をひかないように厚着をすることで、汗をかいて冷えて風邪をひきやすくしがちです。
   お家の温度も過ごし方も違うので、“何枚までにしましょうね”等は申し上げられませんが、少なくともお母さんより1枚減らしてみますか?鼻水出るようだったら、また重ね着…さらに自転車に乗るときはもう1枚…それぞれのご家庭で、ぜひ見直してみてください。
副園長 菱田由里子
 
2019.1.10園だより
冬休み、お子様とご一緒に心温まるひとときをお過ごしだったことと思います。
これからの3学期は、子どもたち自身がますます地に足をつけ、色々なことを経験し、自分の感覚で気づいたり、前に進んだり、立ち止まったり、お互いに支え合い一段と成長するときです。
それと共に、保護者の皆様も子ども達の卒園や卒業、入学、進級や
進学など、何故か気ぜわしく忙しく感じられることがあるかもしれません。
そんなとき、どうしてもイライラして自分でも気づかないうちに我が子にあたりちらしてしまっていたりするものです。まず大事なことは自分が無理をしないこと。
だからといって、あれもしない、これもイヤと、何もしないことを
お勧めするつもりはりません。私のお勧めは“無理をしない”…そのために優先順位を見極めることです。
今、これが大事と思ったこと、寝ることや遊ぶこと、手を抜くこともはいります、それを、ただただ今、一生懸命にするだけです。
さあ、3学期、皆様と共に楽しく思いっきり豊かな経験がありますように。                      
          副園長 菱田由里子
 

園だよりから

園だよりから
 
 
 
2018年2学期最終号園だよりより

   今年もいろいろとご協力下さり、ありがとうございました。“子育て”楽しかったですか?しんどかったですか? 子どもは確かに成長しています!親も成長されましたか。皆様、“よしよし”って、ご自分の頭、なでなでしてあげて下さいね。

 世の中は合理化されたり便利になったりどんどん進化しています。その分、子育てもしやすくなった部分としづらくなった部分があります。でも子どもの育ちはかわりません。“電子レンジち~ん”みたいに早く育てて終了というものではなく、それぞれの歩みに寄り添い、それぞれの問題に向き合い、日々を積み重ねていくうちに、親子共に成長していきます。

車や不審者はこわいけど、十分注意して、歩いて散歩に出てみましょう。都会の中でも子どもの目線で周りを見てみるとそこには自然の豊かさがあります。また、道の端を歩く、車や自転車に注意する、信号や踏切、知らない人にあったらどうする…いっぺんに覚えることではなく、何度も何度も楽しみながらお出かけしているうちに身につくものです。いつもいつも自転車や自動車で“子ども自身は乗っているだけ”ではなかなか得られない大切な経験がそこにあります。

 手を切ったり、食中毒やアレルギーがこわいけど、

クッキングしてみましょう。園児だって包丁も持てますよ。ピーラーで皮をむくこと、野菜をちぎることもできますよ。

また、これは大人の食べ物ってなんとなく省いていませんか?(例えば、酢の物等)食べたことのない食材にも挑戦。(既にアレルギーがわかっているものや、親も嫌なものに絶対に取り組まなければという意味ではありません。)普段、そばにいる大人がおいしそうに、うれしそうに、楽しそうに、これはいいことだという雰囲気で食事をしていると子どもたちも幸せ♡どうぞ素敵なお正月をお過ごし下さい。        副園長 菱田由里子

 
2018.12月の園だより
 

★なんのためのマスク?

 

口だけを隠して鼻を出していると全くマスクの効果は得られません。

 

咳が出ていてお友達にうつすかも…ということでマスクが必要な時はお休みしてしっかり快復する時をもちましょう。

 

予防の必要があるのならば、予防できるマスクで正しい使い方を考えましょう。

 

寒さ対策?お母さんのまねっこ?

 

マスクをつけると表情が見えづらく、声も聞こえにくく、友達とのトラブルを招く要因の一つにもなることも考えた上で効果的にマスクをご使用下さい。

                                副園長 菱田由里子

 

 

 

 

 

 

 

 
2018.11月の園だより
 
 今回の動物園への遠足は久しぶりに天候を気にせずに過ごすことができました。動物園内では年少もも組さんに同行しました。ゆったりとした気持ちで、『何がいるかな』『何がみたい』と、わくわくしながら歩き、雌ライオンが吠えると『こんなんしてた!』と、もう気持ちはライオンに変身。その後も、見た動物になりきって、『こんなんやった!!』『あんなんやった!!』顔まね、声まね、動きまねで大興奮の子ども達でした。見た経験、感じた経験、発見した経験をストンと自分の中に取り入れ、自分のフィルターを通して、自分の中の“生きていく力”に変換していくことをあらためて感じた豊かな1日でした。
 朝夕、寒さを感じますね。特に自転車に乗っているだけの子ども達には重ね着が必要だったり、毛布でくるんだりの工夫をされると思います。まず、ひとつ。毛布でくるむとき、手は自由にだせるようにしてください。そのまま、なんらかの事情で自転車がふらついたり、こけそうになったとき、子どもが自分自身で身を守ろうにも、手が出せない状態では危険です。
 そして、二つ目、朝、重ね着できても、自転車を降りるときに1枚取り除きましょう。園庭で走ったり、室内でも動きまわったりすると、汗をかき、それで冷えると風邪もひきやすくなります。大人より1枚少なめの感覚がいいかもしれません。
 まもなくやってくる冬も元気にすごせますように。 副園長 菱田由里子
 
7月の園だよりから
 
~我が子を受け止める~お母さんなら簡単?!いやいや、なかなか難しいこと? 
これはわがままを育てているだけではないか、子どもの言いなりになっているだけではないかと 思ったり、受け止めてはいるんだけど、そのつもりなんだけど、気づけばいつも小言ばかり言ってると思ったり…
 朝も昼も夜もおつきあいするこの小さな人は、自分と同じではなく独立していて、自分とは違う感情をいだいていたりするから、時々“我が子ながらよくわからない”と思うこともしばしばあります。もし我が子のことが100%わかっていると自負なさっている方は要注意かも…その思い、本当に我が子の思いと同じですか……でもいずれにせよ、大丈夫。
子どもの寝顔をみながら、時々、振り返って、ささやいてみましょう。「大好きだよ」       副園長 菱田由里子
 
6月の園だよりから 2018.5.30
~子どもの自主性の尊重と親の主導権~
 “自分のことは自分で”“子ども自身が地に足をつけて自分で決断してすすもう”“3歳でも、4歳でも、5歳でもそれぞれなりに自分で感じ、考え、自分で行動する”等々、甲東幼稚園でもことある毎にお話しています。本当にその通りです。大人からみれば、幼いかもしれませんが、脳を精一杯働かせて、今、自分が感じられる精一杯を感じ取り、表現します。
 ですが、実は子どもの自主性に負けてはいけない親の主導権というものもあります。詳細はご家庭によって違ってきますが、
少なくとも体の具合が悪い時に幼稚園に行くのか行かないのかを決めるのは子ども自身ではありません。行きたいのか行きたくないのかは子ども自身の感性ですが、行けるのか行ってはいけないのかは大人が判断を下します。
まもなく、水遊び(プール)も始まります。入りたがらないからと言って、「休むの?どうするの」と子どもに聞いて決める事ではないのです。プールの欠席を書くのは、プールに入ってはいけない時です。入りたがらないからと大人が勝手にチャンスをつぶさないようにしましょう「体は元気だから、プール欠席は書けないけれど、プールに入りたくないよは先生に言っておこうね」それでいいんです。“プールに入らねばならない”とか、そんなことではなく、お部屋の中から、あるいはプールのそばで、楽しそうかも、お水さわるの気持ちいいかも…などそれでいいんです。
 普段の日常生活でもついつい、子どもに「どうする?」と聞いて
おいて、でも実は子どもには決断する権利はなかったり、大人の都合が優先になっていることに気づかず、子どもの気持ちや決断をないがしろにしてしまうこともあります。たまには今日はどうだったかな…と、大人同士で振り返ってみましょう。
副園長 菱田由里子
 
 
園だより 2018.5
 子どもたちは、保護者の皆様の元を離れ、幼稚園で先生やお友達と一緒に過ごす時間を持つようになりました。きっとそこには見えない大きなハードルがあり、難なく飛び越えられた子どももいれば、未だ何かひっかかりスムーズに朝を迎えられない子どももいます。保護者の方も同様ですね。なんとなく、幼稚園に“預ける”ということに後ろめたさや、かわいそー、大丈夫なのかしら、まだこんなに小さいのに、赤ちゃんだったこの子が…そんな気持ちがどこかに潜んでいて、それを子どもは敏感に察知します。
 大丈夫ですよ♡いっぱい泣きましょう。いっぱいぐずぐず言いましょう。
そして、いっぱい笑い、いっぱい輝き、いっぱい遊びましょう。それが幼児教育です。不安は先生と保護者の大人同士でお話して希望にかえていきましょう。子どもにはその力があります。
5月は大型連休もあります。子どもにとっては、いつも通りに過ごし、いつもの公園で家族と遊ぶ…それだけでとても楽しいひとときです。無理をせず素敵な5月をお過ごしください。          (副園長・菱田)
 
園だより 2018.4
入園・転入・進級…新しい年度を迎えました。泣いたり笑ったり、怒ったり、自分の気持ちを表現し、まずは自分の居場所みつけです。
今年もご家庭と幼稚園が協力して素敵な園生活を繰り広げ、子どもたちのことをご一緒に考えてまいりましょう。いつでも気軽に声をかけて下さい。
 幼稚園は子ども自身の最初の社会生活の場です。自分の足でしっかり歩き始める第一歩。そっと背中を押してあげましょう。我が子が幼稚園で楽しく過ごせるかしらと思い過ぎて、自分自身が不安になっていることに気づかず、ついつい子どもの後ろで「〇〇ちゃん大丈夫?大丈夫?」と言ってしまうかもしれません。 同じ大丈夫でも「大丈夫?(不安だよね、できないよね)」と、「大丈夫!(心配しなくてもそこにいれば大丈夫なんだよ)」と()内の声にはでていない部分を子ども達は感じています。前者は子どもの背中を押してあげているのではなく、後ろから不安をおおいかぶしてしまっているのかも…
 子ども自身は大丈夫です。今は、泣いてしまったり、ぐずってしまったり、あばれたりしているかもしれませんが、それでも大丈夫なんです。我が子の力を信じてニコニコ見ていてあげましょう。
 こんな荷物持てるかしら?一人で歩いていけるかしら?できるんですよ!もしご心配な時は担任や私に気軽に声をかけて下さい。ご一緒に考えてまいりましょう。よろしくお願いします。   副園長 菱田由里子
 
園だより2017年度最終号から

どんな1年でしたか?素敵な思い出が増えましたか?

楽しい子育ての1ページ? しんどい気持ちを積み上げた1年? どちらの場合でも、楽しい時もしんどい時もありましたね。

我が子なのに、自分とは違うことにふと気づくのが乳幼児期だと思います。もちろん、自分とは別の人として出会った赤ちゃんだけど、一進一退を一緒に積み重ねている内に赤ちゃんと自分は同じ!だって、自分のおなかの中にいたんだよ。でも最初は赤ちゃんは泣くだけで、その泣き声も同じ声で、新米ママは何故泣いているのかがわからない時もあり大変でした。でも一生懸命赤ちゃんの様子を見て、おっぱい?、おむつ?、暑い?寒い?…と赤ちゃんの気持ちを察して、お世話をしていくうちに赤ちゃんの気持ちが手に取るようにわかり、ほぼほぼ同じ時間を赤ちゃんの隣で過ごすことで、ますます自分の気持ちと赤ちゃんの気持ちがぴったりあうようになりました。。

ところが、乳幼児期に入り、赤ちゃんを卒業するころには、彼女、彼らは、自分とは違う気持ちを持ち始めます。悲しいはず、しんどいはず、困っているはず…でもそれらは往往にして「悲しいよね、いやだよね、(ママは)わかってあげているよ」というお母さん自身の気持ちをすり込まれているだけの事も。本当はあんまりなんとも思ってなかったのにって。なので、気持ちをすり込んであげるなら、自分の心配まで子どもに植え付けないように、前向きに気持ちをもてるように、「大丈夫だよ、見守っているよ」と、そんなサポートができると素敵ですね。

あなたの我が子はもっとすごいですよ。どの子どもも大きな大きな可能性を持っています。4月から進級したその集団の中で、それぞれが、また一段と成長していくことを楽しみに、子育てできる喜びを皆で共有いたしましょう。         

 
2018.2月号から
★インフルエンザなど風邪に注意!
今回のインフルエンザは熱がなくてもかかっていたりしています。
みなさま、お元気でお過ごしですか?お大事になさってください。
 
わが子の体調管理をしようとするとき、
何に注意なさいますか?
 
『寒いから外で遊ばせない?』⇄『こどもは風の子元気な子』とはどういう意味?
『寒いからいっぱい着込ませる?』⇄『薄着こそ元気の秘訣?』
 
その“寒い”とはどれくらいの寒さの事でしょうか?
 
用心の仕方は各ご家庭によって違いますが、1つ、皆さん共通に言えるのは、具合が悪い方かも…と思った時は特に、
お稽古事やお買い物・ご用事など、子どもにとってスケジュールが過密になっていないかを今一度チェックし、充分なゆったりとした時間を過ごせるよう、早く就寝できるタイムスケジュールになるように注意しましょう。
 
2018.1月号から
冬休み、お子様とご一緒に心温まるひとときをお過ごしだったことと思います。
 
これからの3学期は、子どもたち自身がますます地に足をつけ、色々なことを経験し、自分の感覚で気づいたり、前に進んだり、立ち止まったり、お互いに支え合い一段と成長するときです。
 
「自分でやりたい」という子どもの気持ちと、「自分でしてほしい」という親の気持ちは一致しています。
でも、最初からうまくできるはずはありません。
 
ということで、『それ、やられたらかえって時間かかるんだよね』『今日は急ぐから待てないんだな…』『うーん、嬉しいけど、2度手間になるんだよね』等々の大人側裏事情が出たり入ったりし、気づけば「あれしなさい、これしなさい、こうしなさい、そうしてはダメ」と指示のことばを山盛り投げかけつつ、大人の手がやってしまっている…
 
つまりいつの間にか自分でしたいと思った子どもの気持ちは、しない方がいいんだと親子共に変換されてしまったことに気づかず、『何故、うちの子はできないんだろう』『幼いんだし、仕方ないか』という方向へいざなわれてしまいがちです。
 
でも、本当は、3歳でも4歳でも5歳でも、それぞれが、それぞれなりに自分の力より少し上のこともやってみたいと思う時があります。
それに気づいたら、大人側は忙しい時であっても、『待つ、私、待てるよね』と自分に言い聞かせながら子どもの様子を見守ってみましょう。
 
できたらOKということではなく、チャレンジしてみようとしたことがOKです。お片付けでも、お手伝いでも、ケンカでも、………
さあ、3学期、皆様と共に楽しく思いっきり豊かな経験がありますように。
 

園だより

園だより
 
 冬休み、お子様とご一緒に心温まるひとときをお過ごしだったことと思います。
これからの3学期は、子どもたち自身がますます地に足をつけ、色々なことを経験し、自分の感覚で気づいたり、前に進んだり、立ち止まったり、お互いに支え合い一段と成長するときです。
それと共に、保護者の皆様も子ども達の卒園や卒業、入学、進級や
進学など、何故か気ぜわしく忙しく感じられることがあるかもしれません。
そんなとき、どうしてもイライラして自分でも気づかないうちに我が子にあたりちらしてしまっていたりするものです。まず大事なことは自分が無理をしないこと。
だからといって、あれもしない、これもイヤと、何もしないことを
お勧めするつもりはりません。私のお勧めは“無理をしない”…そのために優先順位を見極めることです。
今、これが大事と思ったこと、寝ることや遊ぶこと、手を抜くこともはいります、それを、ただただ今、一生懸命にするだけです。
さあ、3学期、皆様と共に楽しく思いっきり豊かな経験がありますように。                      
          副園長 菱田由里子

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